【JRA中京2歳S予想2025】スターアニス母子制覇へ!左回りで試される瞬発力

キャリアの少ない2歳馬の中でも特に大きなインパクトを与えたのが、小倉芝1200mの未勝利戦を7馬身差で圧勝したスターアニス(牝2、高野友和厩舎)だ。
同じ小倉1200mのデビュー戦では5着に敗れたが、これはスタートの出負けが響いたもの。直線で見せた末脚は光るものがあり、素質の片鱗は示していた。
続く前走の未勝利戦では使われたことで一気に良化し、本来の力を発揮した。前半3F33秒0のハイペースを楽に追走し、4コーナーで外へ持ち出すと、直線では後続を寄せ付けず7馬身突き放して圧勝。最後は余裕を残しながらも1分08秒0の好時計で駆け抜けた。これは今年の小倉芝1200mの2歳戦で断然のトップであり、2位の1分09秒0を大きく引き離す内容だった。
比較対象としても十分に価値がある。前週の北九州記念(G3、小倉・芝1200m)を勝ったヤマニンアルリフラの勝ち時計が1分07秒8であった。スターアニスも同じ55キロを背負って走破しており、その走りは古馬重賞級と並べても遜色ない。
ファンの多くが「次走で小倉2歳S母子制覇」と期待したのも当然のことだが、今年から番組改編で小倉2歳Sは廃止。スターアニスの次なる舞台は中京の1400mとなる。
それでも管理する高野調教師は「母も制したように血統的に小倉2歳Sが理想でしたが、今年から番組がなくなったのは承知の上。それでも前走の内容から距離延長は問題ないでしょう」と語る。
母はスプリント重賞2勝を挙げたエピセアローム。2011年に前身の小倉2歳Sを制した名牝であり、デビュー2戦目での大楽勝という臨戦過程も今回のスターアニスと重なる。加えて母が夏場に「3-1-2-2」と好成績を残した“夏女”であった点も、血統的背景として後押しできるだろう。
スターアニスは先行一辺倒ではなく、差す競馬も身に付けている点が強みとなることは確かだ。スプリント戦では先行力が問われるケースが多いが、展開に左右されにくい差し脚を備えていることは武器になる。小倉右回り1200mから、中京左回りの1400mに変わっても力を発揮できるかどうかだが、距離延長とコーナーの違いが試金石となりそうだ。
やはりこれまでのような瞬発力を繰り出せるかどうかが大きな焦点となる。小倉の1200mでは非凡なスピードで圧倒したが、中京外回りでは持続力や立ち回りも試される。新たな条件で結果を残すことができれば、母譲りのスプリント能力に加えて新たな適性を証明することができよう。
母の偉大な足跡をなぞるかのように歩みを進めるスターアニス。血統、走破時計、そして内容すべてを考慮すれば、中京2歳Sの最有力候補であることは間違いない。課題を克服し、新たな世代を代表する存在へと飛躍できるか。注目の一戦となる。

