【英ダービー2023予想】ディープインパクト産駒の最終世代オーギュストロダン、英国で大偉業狙う

6月3日はロンドンのエプソム競馬場で行われる伝統あるレース「英ダービー」が開催。

リステッド競走のダービートライアルSを快勝し4戦3勝で臨むミリタリーオーダーをはじめ、昨秋のG3ゼットランドSの勝ち馬フライングオナーズ、今年限りでの引退を表明しているL.デットーリ騎手がコンビを組むアレストなど、有力馬が多数参戦。

今年は日本馬の参戦は無いが、国内でも注目を集めるのはディープインパクトのラストクロップとして注目が集まっていたオーギュストロダンだ。自身の最多記録を更新する英ダービー9勝目がかかるA.オブライエン厩舎所属の馬ということもあり、期待度の高い1頭である。

未勝利快勝後、9月のチャンピオンズジュベナイルステークス(G2、芝1600m)、10月のフューチュリティトロフィー(G1、芝1600m)を連勝し、マイルの重賞戦線で活躍してきた。しかし、人気を集めた前走の英2000ギニー(G1、芝1600m)では12着に沈んだ。

当日はかなりぬかるんだ重馬場での開催。オーギュストロダンは不良馬場のフューチュリティトロフィー、重馬場のチャンピオンズジュベナイルステークスも快勝しており、タフな馬場と距離も経験済みだったが、この日の英2000ギニーの勝ちタイムはここ10年で一番遅いタイムよりも4秒以上かかった遅いレース。

勝ち馬は欧州血統の2番人気シャルディーンで、日本血統で1番人気だったオーギュストロダンが12着、3番人気で米国血統のリトルビッグベアが最下位に敗れている結果からも、欧州向けのかなりタフな特殊馬場だったことがうかがえる。度外視とまでは言わないが、言い訳のできる一戦とも言えよう。

比較的良馬場で開催されることが多い英ダービーなら巻き返しのチャンスはありそうだが、同レースもかなりタフなコースで開催される。エプソム競馬場の2400mはスタートしてから約1000mは4%の上り坂となっており、最後の直線は長い下り坂だが、ゴール手前200mからゴール直前まで急な上り坂という形態で、とにかく起伏に富んだ過酷なコースだ。

日本で直線に急な坂があるとして有名な中山や阪神とは、比べものにならないほどの高低差。さらには自然を活かしたコースで日本ほど馬場も整備されておらず、地面はかなりデコボコしている。

こうした特徴があることから、イギリスで活躍する競走馬にはパワーが必要だ。強い競馬をしてきたオーギュストロダンだが、経験はマイルのみ。タフなコース、タフな距離のここを勝ちきれるかどうかはいささか疑問だ。

それでも、英大手ブックメーカーの「Williamhill」では4.50倍の2番人気に推される人気を集めている(5/29時点)。能力的に上位なのは明白だが、今年初戦で弾みを付けられなかった臨戦過程、タフなコースに未知な距離と、壁は大きい。

高い壁をあっさり乗り越え、見事に栄冠を勝ち取ることができるのか。ディープインパクト最終世代の夢がかかるレースで引き続き注目したい。