【ホープフルS2017予想】“確実に切れる末脚”と”展開の自在性”が魅力のタイムフライヤー

記事「【ホープフルS2017予想】“確実に切れる末脚”と”展開の自在性”が魅力のタイムフライヤー」のサムネイル画像

今年はG1に昇格した大阪杯がまずまずの盛り上がりを見せました。その要因として一番大きかったのが好メンバー揃いだったことでしょう。サトノダイヤモンドこそ不在だったものの、天皇賞春や宝塚記念よりメンバーは豪華だったのではないでしょうか。

そういった意味でもやはり記念すべき「第1回目」は大事にしたいところでしょう。大阪杯同様に今年昇格元年となるホープフルステークスは登録馬が18頭。ニシノベースマンが回避したことで、フルゲート割れの17頭でのレースとなりました。量よりも質が問われるのがG1レースですが、出走馬中10頭は本賞金400万の1勝馬。この時期の2歳ですから致し方ない部分はありますが、例え勝てなくても500万条件に出走するよりも遥かに高額の賞金を獲得できる可能性もあるため、ダメ元の出走というイメージも感じられる少々残念なメンバー構成と言わざるを得ません。

そんな中でも今回有力馬として注目しているのはタイムフライヤーです。これまで4戦して連をはずさない安定感、月1走ペースで走っても元気はつらつなハーツクライ産駒です。母の全兄にタイムパラドックスがいることもあり、古馬になったら1度はダートで見たいとも思える魅力的な血統背景の持ち主です。

松田国英厩舎と言えばクロフネやキングカメハメハなど以前は勢いがありましたが、最近は目立った活躍馬を出せていないこともあり、「この馬を看板に!」という思いも強いのではないかと推察されます。競馬内容は、先行してもよし道悪で追い込んできてもよしと、ペース・馬場を問わない自在性と確実に切れる末脚が魅力です。今回もクリスチャン・デムーロ騎手を確保しており、来年の主戦こそ未定にはなりますが、1850万円の本賞金では皐月賞はともかく、ダービー以降がやや不安なだけに、最低でも2着を拾って賞金を加算し、余裕を持ってクラシックに挑みたいところでしょう。

ライバルはやはりモーリスの全弟・ルーカスでしょう。調教中の放馬で出走も危ぶまれていましたが、事なきを得ました。前走は評判馬同士の一騎打ちとなり、ワグネリアンに軍配があがったものの、ルーカス自身まだまだ荒削りの面も多く、全兄の活躍も晩成なだけに伸び代には期待できます。

また、本賞金400万組の中では藤沢厩舎のフラットレーも侮れません。こちらは前走のアイビーステークスでは重馬場に脚を取られたせいか、道中5番手から流れ込むだけという内容で、本来の能力を出せていなかった印象があります。デビュー戦同様、良馬場ならといったところでしょう。

重賞勝ち馬はすでにクラシックを見据えるだけの本賞金を確保済みということでジャンダルム1頭のみの出走。せっかくのG1昇格後も、大目標というよりはクラシックへ向けたステップという以前までと然程かわらないポジションで見られているようなホープフルステークス。事前の盛り上がりという点では大阪杯の遅れをとる形となりましたが、昨年の勝ち馬レイデオロが早速今年ダービー馬になったように、来年への希望を紡ぐレースとなるかが注目です。