オジュウチョウサン、武豊騎手と平地500万下挑戦へ
障害G1・5勝の実績を持ち、2016年4月に出走した中山グランドジャンプ以降は負け無しの9連勝と、障害界を牽引してきたオジュウチョウサン。
レースに出れば1倍台の1番人気は確実で、現在6戦連続で1倍台の1番人気に推されてその期待にしっかりと応えてきている実力馬です。現在の障害界を語る上では絶対に欠かすことが出来ない存在のオジュウチョウサンですが、なんと今夏は福島競馬で平地競走への出走を視野に入れていることが明らかになりました。23日、同馬を管理する和田正一郎調教師から発表されました。
予定しているレースは7月7日に福島競馬場で開催される開成山特別(500万下、芝2600m)で、鞍上は武豊騎手の予定となっております。
オジュウチョウサンは2013年10月にデビュー。デビュー戦となった東京の芝1800mでは後方待機のままひっそりと11着にゴールし、続く未勝利戦でも東京の2000mでほぼ最後方から見せ場なく8着に惨敗。3戦目から障害へ転身して花を開かせていくわけですが、平地競走はデビュー2戦目の未勝利戦以来、実に約4年半ぶりとなります。
和田師によると、平地競走への再挑戦は「オーナーの意向」ということですが、好走する可能性もあれば、この一戦がきっかけで主戦場としている障害競走の調子が狂ってしまう可能性ももちろんあるため、意向については賛否両論も巻き起こると思います。
しかし、この馬ならではの状況を考えると選択肢としてはアリなのではないかと個人的には思えてきます。同馬の斤量はG1以外ではかなり重くなりますし、レースの消耗度などを考えても年間で使える障害競走は限られてきてしまいます。それなら賞金がまだゼロの平地競走に挑戦してみるというのは、この馬の新たな可能性を試す意味でもチャレンジしてみる価値は十分あるのではないでしょうか。
過去には、障害競走2勝の実績があるメジロパーマーが宝塚記念を勝利したり、芝とダートを行き来した後障害で勝利し、その後日経賞を勝利したテンジンショウグンなどがおりますが、オジュウチョウサンほどの障害界のトップクラスが平地競走を走るケースは非常に稀。500万下とは言え、障害G1・5勝の実績馬が平地競走でどんな走りを見せてくれるのかは、ファンとしても非常に興味をかきたてられます。
鞍上が長年コンビを組み続けている主戦の石神深一騎手ではなく、武豊騎手という点も賛否両論あると思いますが、武豊騎手を背に芝レースを走るオジュウチョウサンという異質過ぎる組み合わせに、拒否感よりも好奇心の方が勝るのは筆者だけでしょうか。夏競馬はまだ少し先ですが、この異種格闘技戦は注目したい一戦です。