【天皇賞春2016予想】枠順から見る・ゴールドアクターとサウンズオブアースの危険度
今年の天皇賞(春)は昨年と違って、主役不在。昨年の覇者ゴールドシップや2連覇したフェノーメノは現役を退き、長距離でG1制覇を果たした菊花賞馬のトーホウジャッカルは前走の阪神大賞典で大敗。ゆえに、特に今年は枠や展開、馬場状態などによって大きく結果が入れ替わる可能性が高いメンバー構成と言えるだろう。もちろん、天皇賞(春)と言えば、普段走ることのない3200mでのレース。予想する上で、距離適性が非常に重要な要素になるに違いない。しかし、今年は特に初長距離組に目ぼしい馬がおらず、抜けた実績を持つ馬もいない。また、逃げ馬や先行馬がハッキリしている事で、展開面においても極端なペースになるとも考えづらい。そうなると、上記に挙げたファクターの中で『枠順』が非常に大切になってくるはずだ。
天皇賞(春)が行われるコースは、京都芝外回りの3200m。コーナーが実に6つあるコースで、基本的に外枠の馬は常に外を回る不利がある為、距離ロスも非常に大きくなってしまう。また、1周目にゴール板前を通過するので、歓声に影響される馬もいれば、ゴール板をゴールと勘違いする馬もいる為、外目を追走する馬はどうしても折り合い面に不安が出てしまう。となれば、他のレース以上に外枠不利が明確になってくる事が分かる。
それは過去の結果やデータを見ても、一目瞭然である。昨年の1〜5着までの馬番見てみると、『1-14-2-4-3』と1, 2枠の馬が掲示板に4頭独占し、外枠の馬はゴールドシップ以外全滅なのである。また、昨年こそ過剰な内枠有利だったと言えども、近年の勝ち馬は全て4枠より内にいる馬なのだ。
今年の天皇賞(春)で内枠に入った注目馬と言えば、①キタサンブラックと⑧シュヴァルグラン。逆に死の枠とも言える外枠に入ってしまった馬は、⑮サウンズオブアースと⑰ゴールドアクターである。正直、上位人気が予想される4頭にとって、明暗がくっきりと分かれた印象で、特に後者2頭は7.8枠の痛い枠を引いてしまった。せっかくなので、この外枠を引いた2頭について実力面を含めて簡単に解説していきたい。
ゴールドアクターorサウンズオブアース、ホントに枠で泣くのはどっちだ?!
⑰ゴールドアクターは、アルゼンチン共和国杯と有馬記念、日経賞で重賞3連勝しているように、先行力のある安定感抜群の競馬が売りのタイプである。また、自分からある程度ポジションを取ることも出来るタイプなので、外を回る不利を嫌うのであれば、有馬記念のようにスタートからゴール板まで出していくことで逃げの手に出る手段もある。よって、8枠の痛い枠順を引いたが、大きな影響はないと考えられる。
一方で、後者の⑮サウンズオブアースはここ2走こそ中団より前の競馬も、どちらかと言えば先行よりも差し脚質に近いタイプ。また、昨年の天皇賞(春)で同じ15番から9着に敗れているように、外を回ってねじ伏せるような力はない。さらに、昨年のレース内容や一昨年の菊花賞を見ても3200mの距離は長い印象があるので、相当厳しい戦いとなりそうだ。
また、前者の⑰ゴールドアクターも枠に不安はないと書いたが、一昨年の菊花賞でサウンズオブアースやトーホウジャッカルに敗れているように、3000mへの距離延長はプラスとは言えない。ゆえに、有馬記念1, 2着馬である上記2頭が消えることによって、波乱の可能性が否めないレースとなりそうだ。
栄光を勝ち取るのは、①キタサンブラックか、それとも⑧シュヴァルグラン、その他の馬か。予想では、『あっと言わせる驚くべき馬』を軸にして攻めたいと思っているので、レースが今から非常に楽しみである。ぜひ、予想を期待して頂きたい。