【ヴィクトリアマイル回顧】エンブロイダリー三冠目!人気馬による超高速決着
公開: 2026/05/19 00:11

春の牝馬マイル王決定戦・ヴィクトリアマイル。今年は桜花賞馬エンブロイダリーを中心にとした勢力図。高速馬場での開催となった府中マイルで、決着は概ね人気通りのものとなった。
主導権を握ったのはエリカエクスプレス。前走では控えた競馬を選択していたが、今回は持ち味を活かした逃げの形に持ち込んだ。前半から極端に飛ばす形ではなかったものの、道中で緩みを作らず、後続にも脚を使わせるような流れを形成。東京マイルらしい持続力勝負へとレースを導いていった。
直線に入ってからもエリカエクスプレスの脚色は簡単には鈍らない。速い馬場を味方につけながら粘り込みを図り、G1の舞台でも自らの競馬が通用することを証明した。単なる展開利の逃げではなく、能力で作り上げたレースだったと言えるだろう。
しかし、その流れをさらに上回ったのがエンブロイダリーだった。こちらも前走では逃げ切り勝ちを収めており、近走は自在性の高さが目立っている。今回は昨年の秋華賞を思わせるような積極策。好位の位置で折り合いをつけながら進み、直線では馬群の外へ。そこからは期待を裏切らない末脚が弾けた。
その後方からは、府中実績のあるオークス馬カムニャック、昨年のヴィクトリアマイル2着馬クイーンズウォークが追いすがる。特にクイーンズウォークは東京コース適性の高さを改めて感じさせる内容で、最後までしぶとく脚を伸ばしていた。しかし、ゴール前100m付近ではエンブロイダリーの優勢は明確。最後は力の違いを示すような完勝だった。
タイムは1分30秒9。緩やかながらも息を入れる暇のない前半から、さらに加速していく後半という、地力が試されるレースだったと評価できる。前半3F34.6-後半3F33.6というラップ構成は、2019年にアーモンドアイが優勝した際のヴィクトリアマイルを想起させる。
単純な瞬発力だけではなく、高速巡航を維持しながら最後にもう一段加速する総合力が求められるレースだった。その意味では、今年のヴィクトリアマイルは近年の中でもかなり質の高い一戦だったと言える。前で運んだ馬にも厳しく、後方一気だけでも届きづらい流れであり、上位勢はいずれも高い地力を示した。
阪神・京都のG1を勝ち、さらに東京マイルでも結果を残したエンブロイダリー。急坂、高速馬場、持続力勝負と異なる条件に対応し続けている点は非常に大きい。持続力と瞬発力を兼備したオールラウンダーと言えるだろう。
世代限定戦だけではなく、古馬のトップクラスが集うマイルG1でも結果を残したことで、その評価はさらに高まった。牝馬路線の中心として、今後どこまで実績を積み重ねていくのか。さらなる飛躍が期待される。

