中央競馬の上半期を締める宝塚記念はマリアライトの勝利で幕を閉じたが、地方競馬にて行われる上半期ダート最強決定戦の帝王賞はまだまだ終わっていない。しかも、今年は昨年の覇者であるホッコータルマエや東京大賞典を制したサウンドトゥルー、かしわ記念制覇で勢いに乗るコパノリッキーが参戦を予定している。ゆえに、例年以上に豪華なメンバーが大井競馬場に勢揃いしそうで、非常に楽しみなメンバー構成が予想される。そして、今回はJRA所属馬で出走を予定している7頭に絞ってピックアップし、それぞれ現時点における評価をハッキリとさせたい。また、最後には地方馬を含む全頭の取捨選択を明確にするつもりなので、ぜひ読者の方は予想をする上で参考にして頂きたいと思う。
まず、題名にも登場している、各世代代表の①ノンコノユメ(ルメール)②アスカノロマン(太宰)③コパノリッキー(武豊)④ホッコータルマエ(幸)の4頭について詳しく解説していきたい。
最初の①ノンコノユメは前走のかしわ記念は当初心配していたように、小回りでのレースが合わなかった印象で、正直言って脚を余した感のあるレース内容であった。しかし、今回は昨年のJDDを制した大井ダート2000mの舞台で、直線の長いコースへ替わる点は大幅プラスであろう。一方で、②アスカノロマンは前走の平安Sで他馬を寄せ付けない圧勝劇。ここ5走は2, 1, 3, 2, 1着と安定した成績を常に残しており、成長を感じさせる1頭である。次の、③コパノリッキーは今さら言うまでもないが、先行力が魅力的なタイプで昨年のJBCでサウンドトゥルーとホッコータルマエを撃破。また、先月のかしわ記念制覇で最も勢いに乗る存在だ。最後の、④ホッコータルマエは3年連続ドバイに参戦で、今年もこのレースから始動。昨年は海外帰りのハンデを物ともしない勝利で、引き続き厳しいローテーションの今年も力を出し切れるはずだ。
さて、上記4頭の評価であるが、正直言うとこの4頭に関してはほぼ実力差がないと言っても過言ではない。ただ、崩れる可能性があるとすれば、②アスカノロマンと③コパノリッキーである。まず前者に関しては若干距離に不安を残している。というのは、2000m以上のレースで強豪揃いではなかったダイオライト記念とペテルギウスSで2, 3着に敗れているように、ベストは1600〜1800m。1900mは直線が短ければ問題がないが、大井競馬場は直線の長い2000mで相当タフと言える為、やや割引が必要かもしれない。また、③コパノリッキーは④ホッコータルマエにマークされると崩れてしまうように、マイペースでスローに持ち込むのが得意なタイプ。今回はクリソライトやアスカノロマン、ホッコータルマエなどの同型が揃った事を考慮すると、昨年の東京大賞典のように馬券を外す危険性も含んでいる。
ところで、残りの3頭に関してもここで取り上げておきたい。①アムールブリエ(浜中)②クリソライト(川田)③サウンドトゥルー(大野)である。最初の2頭に関しては、G1級のメンバーではやや荷が重い印象で、かなり苦戦が強いられそうである。ただ、②クリソライトに関してはハナを切れそうな場合のみは注意が必要なので、外枠を引いた場合だけ気にしておきたい。一方で、③サウンドトゥルーは昨年の東京大賞典で勝利したように、大井2000mはベストな舞台。似たようなタイプと言えるノンコノユメとの対決となるが、前にとって厳しい展開となれば上位進出のチャンスは十二分にあるだろう。
やはり、今回は冒頭で取り上げた4頭+サウンドトゥルーの5強対決濃厚である。また、ほとんどこの5頭には差がないので、当日の馬場状態や騎手の位置取り、枠順などが結果に大きく影響を与えることは間違いない。そして、地方勢にはチャンスのある馬は見当たらず、注目していたナムラビクターはここ2走を見ても過去の素晴らしい走りは影に潜んでいる。よって、読者の方には中央勢主体の予想を組み立てて、前残り・直線どの部分が伸びるか・クリソライトを含む先行馬4頭の枠の並び方を意識した上で上記5頭の中から本命馬をチョイスし、三連単で美味しい馬券をゲットして頂きたい。