【安田記念2016予想】リアルで名誉挽回、福永ここが正念場
春のG1レースも残すところあと2レースとなりました。今週は東京マイルで安田記念が開催されます。ダービーが終わってお祭りムードも落ち着きいてきましたが、安田記念は出走馬が12頭という少頭数での開催となり逆に落ち着き過ぎてしまったという印象。それもそのはずマイルG1を4連勝中の強豪モーリス(牡5)が出走するのだから出走したがらない陣営の気持ちも理解できます。さらに香港G1のチャンピオンズマイルでモーリスの0.4秒差の2着に入線した香港からの刺客、コンテントメント(せん6)が不気味な雰囲気をかもし出しているのだからますます混迷を深めます。
ここが正念場の福永騎手。リアルスティールで名誉挽回できるか?
さて、そんな中で熱く闘志を燃やしているのがリアルスティール(牡4)に騎乗する福永騎手です。リアルスティールは前走ドバイターフ(G1・ア首)をR.ムーア騎手とのコンビで出走して見事に優勝を飾りました。テン乗り(レースでその馬に初めて乗ること)であったにも関わらず日本国内の競馬ファンに好騎乗を見せつけ、リアルスティールに約1年1ヶ月ぶりの勝利をプレゼントしたムーア騎手には大絶賛の声が止まりません。もともとリアルスティールの主戦騎手は福永騎手だったわけで、調教師の矢作師に「(鞍上交代に)ユーイチにはすまんが今回は世界が舞台なので」とアッサリ乗り替わりを告げられた挙句、鮮やかに勝たれてしまっては彼も立場が無いでしょう。
福永騎手が同時期にビッグアーサーで高松宮記念を勝った際のインタビューにて「スタートさえうまく出ればいい競馬ができると思っていた。今後はこの馬が短距離界を引っ張ると思う。」とビッグアーサーを賞賛した後「リアルスティールが勝ち、落ち込んでいたが、元気をもらった」と付け加えているように、リアルスティールが勝ったことはかなり精神的にこたえたようです。
ドバイから帰国して再タッグを組むことになり、ここはなんとか名誉挽回といきたいところでしょう。同じ海外遠征帰りとは言え相手はマイル路線ではもはや敵無しのモーリスで、片やこちらはマイル未経験です。福永騎手にとってはかなりハードルの高いレースとなりそうですが、ここでモーリスを破ってマイル戦を制することができれば福永騎手の評価も一気に上がるのではないでしょうか。福永騎手にとってここは馬以上に正念場かもしれません。
マイル未経験も、実績・能力でじゅうぶんカバー可能
現実問題マイルが未経験ということは普通なら割引したくなりますが、馬がリアルスティールというのだから期待せざるを得ません。モーリス以外は実績・能力を見てもじゅうぶんに勝てるメンバーばかりです。少頭数なので各馬が普段よりも気持ちよく走れる分注意は必要ですが、普段よりも楽に折り合える分福永騎手にとっても折り合いに集中しすぎず勝てる競馬に専念できるのではないでしょうか。人気がモーリスに集まっているだけに、リアルスティールの単勝はここが買いどころかもしれませんね。