【JRAチューリップ賞2023】大穴は〝未勝利馬〟のあの馬？

今週の土曜日、阪神競馬場では桜花賞トライアルの「チューリップ賞」が行われます。過去には何頭もの桜花賞馬を輩出しているレースということで、桜花賞への最重要ステップレースとして注目しておきたい一戦です。

今年は例年以上に混戦ムード。札幌2歳ステークスを勝っているドゥーラをはじめ、新潟2歳ステークスとフェアリーステークスと重賞2勝のキタウイングと2頭の重賞馬が出走。しかしそれ以外は手薄で、阪神ジュベナイルフィリーズで掲示板にのっている馬は不在、他の重賞で上位に来ている馬も少なく、まだ実績を出してない馬がいかに今回のチャンスを掴むかがポイントになりそうです。

そんな中で激走に期待したいのは、ハーツクライ産駒のルカンです。ルカンはこれまで2戦して2着2回ながらも未勝利と実績的には一枚落ちる存在。他の馬は3着までに入れば桜花賞の権利が取れますが、ルカンは賞金的にも2着以内が必須。

壁は高いですが、2戦してともに2着、いずれも上り最速とキャリア2戦の内容は悪くありません。記念出走ではなく、高い本気度を持って臨む1頭であることは間違いないでしょう。そしてその2戦とも牡馬との混合戦で相対的にレベルも高く、2戦ともスローの上り勝負。末脚が活きてくる展開なら十分2着までなら届いてくる可能性は十分と考えます。

デビュー戦では、スムーズに馬が居ないコース取りで走れた勝ち馬に対し、ルカンは前が壁で内に切れ込み、再び前が詰まりそうになところで狭い間を抜け出して勝馬に迫る脚を見せました。昨年のチューリップ賞で2着だったピンハイも同様の競馬で食い込んでおり、同馬を彷彿とさせる末脚を持っています。ピンハイは410kg台と馬格はありませんでしたが、50kg以上も大きい馬達に囲まれながらも根性で2着に食い込む強い競馬ぶりで好走。ルカンも同様に410kgの小さな馬で、同じく50kg以上も大きい馬達の間を突き抜けてくる競馬を見せています。その後ピンハイはクラシック路線で上位を賑わす存在になりましたが、ルカンもまたピンハイ同様にクラシック路線で活躍する素質は持っていると見ます。

ということで、チューリップ賞は、昨年2着のピンハイを彷彿とさせる小さい馬体に根性を兼ね備えたルカンが、2着以内に入らないと桜花賞に出れないという厳しい条件を跳ね返して、桜花賞への切符を獲得してくれると期待したいと思います。