【注目新馬】良血だけじゃないサートゥルナーリア

いよいよ今週からは来年のダービー、オークスを目指す2歳新馬たちがデビューしてきます。実績馬の産駒や弟、妹、または調教で動きの良かったり、デビュー前から注目を浴びる馬はいるものの、評判通り活躍する馬もいれば、鳴かず飛ばずの馬もいるのが競走馬のいる厳しい世界。

競走馬を育成するにあたって都合よく作られたトレーニングセンターと違い、競馬場はやはり人間のための施設であり、牧場からこれまで田舎暮らしをしてきた若駒にとって、新馬戦でまだまだ客の入りもまばらとはいえ、大量の人から熱心な眼差しを向けられるストレスに耐えかねる馬がいてもおかしくはありません。

さて、今回注目したいのは栗東・角居勝彦厩舎で管理されている2歳牡馬サートゥルナーリアです。母シーザリオは日米オークスの二冠を制し競走馬としても一流でしたが、菊花賞、ジャパンカップを勝利したエピファネイアや、朝日杯FS勝ち馬のリオンディーズを輩出し、繁殖牝馬としても超一流として知られています。そんなシーザリオ産駒といえども全員が活躍できるわけではありません。サートゥルナーリアの上に8頭の兄姉がいますが、デビューに至った7頭中重賞勝利まで至ったのは前述の2頭のみです。未勝利で終わったのが1頭のみというのは流石といえますが、競走馬として活躍するのはやはり簡単ではありません。

そんな中わざわざピックアップするのは、血統面では父が今最も旬な種牡馬とも言えるロードカナロアに変わったことも触れておきたい点ではありますが、血統ばかりではなくその調教でのパフォーマンスが抜群に良いという点にあります。タイムを見ても非凡さは伝わりますが、併せ馬では僚馬で重賞勝ち馬のトーセンビクトリーを相手取り先着するなど、デビュー前の若駒とは思えないエピソードが飛び交っています。

前述のように調教がよかったのに本番では、といったケースが無いわけではありませんが、今年デビューの目玉の一頭と言ってよいでしょう。デビューもすでに決定しており6/10(日)阪神芝1600mで鞍上には兄リオンディーズを朝日杯FSで勝利に導いたM.デムーロを迎えます。年々素質馬のデビュー時期が早まって来ていることもあるため、夏前でもぜひ2歳馬たちに注目してみてください。