【北九州記念2026】"飛躍の夏"始まる!快速馬フリッカージャブ、ここは快速王への通過点
公開: 2026/06/29 20:13

サマースプリントシリーズ第2戦「北九州記念」。例年ハイペース必至の混戦となる夏の名物重賞がいよいよ今年も開催される。
今年も実力伯仲のメンバーが顔を揃えたが、中でも最も勢いを感じさせる1頭は、前走の鞍馬ステークスをレコード勝ちしたフリッカージャブである。
前走の鞍馬ステークスは、スタートを決めながら無理にハナを主張せず、行きたい馬を行かせて2番手で折り合う競馬を展開。理想的な形で脚を温存すると、直線では余力十分のまま抜け出し、コースレコードとなる1分6秒4で快勝した。
この時計は2023年以降の芝1200m戦においても、高松宮記念を制したサトノレーヴの1分6秒3に次ぐ水準。オープン特別とはいえ、その数字が示す価値は非常に高く、スピード能力の高さを改めて証明した一戦であったと言えよう。
編集部が特に評価したいのは、"中間の調整過程の良さ"だ。もともとスピード能力には定評があったが、1週前追い切りでは坂路で全体51秒3、ラスト1ハロン11秒9をマーク。しかも序盤から13秒台で飛ばしながら最後まで失速しない内容だった。
この時計の価値は栗東全体の調教データと比較すると一層際立つ。先週の栗東・CWコースには延べ1093頭が入厩したが、降雨の影響で馬場が重かったとはいえ、ラスト1ハロン10秒台を記録した馬はゼロ。一方、坂路では3961頭が時計を出した中で、ラスト1ハロン11秒台をマークしたのは24日に追い切ったわずか8頭のみだった。フリッカージャブもその8頭に名を連ねており、最速11秒6には及ばなかったものの、終い11秒9は十分に上位水準と判断して良いだろう。
芝1200mへ路線を切り替えて以降は6戦4勝。唯一着順を落としたオーシャンステークスも、前半600m32秒0という極端なハイペースを外々から追走する厳しい競馬だった。それでも直線では一旦勝ち負け圏内まで押し上げる場面を作っており、昇級初戦の重賞だったことを考えれば悲観する内容ではない。
その敗戦を糧に臨んだ前走でレコード勝ちを飾ったことは、この馬が着実に力を付けている証拠と言える。
また、小倉との相性も見逃せない。小倉芝1200mでは2戦2勝と崩れておらず、平坦小回りコースはこの馬の持ち味を最大限に引き出せる舞台。中山の急坂で最後に甘くなったオーシャンステークスとは条件が大きく異なり、小倉なら最後までスピードを持続できるはずだ。
さらに興味深いのは、昨年の同開催で1勝クラスを勝った際の勝ち時計が、同週に行われた北九州記念より速かったことだ。当時から素質馬として話題を集めていたが、その期待通りにオープンクラスまで駆け上がり、1年越しでこの舞台へ戻ってきた。陣営が以前から北九州記念を大きな目標に据えていたことを考えれば、この一戦へ懸ける思いは相当強いはずだ。
もちろん、今年は逃げ・先行馬が多く、展開が激しくなる可能性も十分にある。しかし現在のフリッカージャブは、逃げるだけではなく番手でも競馬ができる自在性を身に付けている。スタートセンスの良さを生かして好位を確保できれば、展開に左右されるリスクは最小限に抑えられるだろう。
調教で見せる圧倒的な加速力、レースで証明した持続力、そして完成度を増したレース運び。そのすべてを総合すれば、重賞タイトル獲得のチャンスは十分にある。その驚異的なスピードで、再び競馬ファンを驚かせる走りに期待したい。

