【ジャパンカップ2017予想】“ガラパゴス化”が進むジャパンカップの行末は?
海外からの招待馬と日本馬が対戦するジャパンカップ。かつてはたくさんの海外の強豪馬たちが来日し、「日本VS世界」というキャッチコピーが実にしっくり来るようなレースだった。そう記憶しているファンが多いのではないでしょうか?
しかし、ジャパンカップに出走してくる外国馬は年々レベルが下がっていき、05年のアルカセット以来、実に11年も馬券に絡んでおりません。昨年はドイツからイキートス(7着)、ナイトフラワー(12着)の2頭、フランスからイラプト(14着)が1頭、合計3頭の外国馬が来日しましたが、全頭が惨敗。05年までは毎年5頭以上の外国馬が参戦しておりましたが、近年は実績的にも足りてない印象が強い外国馬が3,4頭参戦するといったパターンがお決まりになってきたという印象があります。
なぜここまで有力外国馬の参戦が減少したのか?“ガラパゴス化”が進むジャパンカップの行末は?
1着賞金3億円という賞金額は世界的に見ても魅力的だとは思いますが、なぜここまで有力外国馬による参戦が減少したのでしょうか?
日本の特殊な高速馬場の適性がないといったことや、大種牡馬サンデーサイレンスの登場により日本の競走馬のレベルが急激に上がったことなどが理由として競馬関係者や競馬ジャーナリストによりこれまで指摘されてきました。日本競馬のレベルが上がったことは大変喜ばしいことですが、さすがにここまで外国に敬遠されると身内だけで楽しんでいるという感じがしてきてしまいます。日本特有のお家芸であるガラパゴス化が国際招待競走であるジャパンカップでも始まりつつあり、このままでは世界から孤立してますます世界標準から離れていってしまうような気がするのは筆者だけでしょうか?
近年は凱旋門賞やメルボルンカップといった外国のビッグレースが国内でも買えるようになったり、外国でのG1勝利数の記録も順調に伸ばしてきており、世界標準へ向けて日本の競馬は一歩づつ着実に近づいてきているなという実感を一競馬ファンながら感じておりました。しかし、日本を代表する国際G1であるジャパンカップがこういった状況ではなんともさまになりません。ドバイワールドカップや仏の凱旋門賞、香港の国際競走など、賞金的にも魅力的なレースが多い中で日本のジャパンカップはどういったことを売りにしていくのか?どういった対策をしていくのか?ということがこれからの課題となっていきそうです。
今年は名門「オブライエン厩舎」から7年ぶりに管理馬が参戦
今年はG1・27勝で年間最多記録を更新したA.オブライエン調教師が、実に7年ぶりとなる参戦を予定していることが明らかになりました。オブライエン厩舎からの参戦は10年のジョシュアツリー(10着)以来3頭目となります。現地メディアによると、ジャパンカップへはキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(英G1)3着馬のアイダホ(牡4)を出走させる意向ということです。G1は未勝利ですが、昨年の英ダービー3着、愛ダービー2着、今年の凱旋門賞は8着という実績の馬で、例年のレベルを大きく上回るとまでは言いませんが、名厩舎が送り出す一頭という意味でも楽しみな一頭と言えるでしょう。
日本馬だけでなく、ぜひとも外国馬にも活躍していただきたいジャパンカップ。日本の競馬の「格付け」を引き上げるためにも、レベルの高い競馬を期待したいところです。