世界最大規模の障害レース。出走40頭、完走15頭の過酷なグランドナショナル
日本ではオジュウチョウサンからメイショウダッサイへの世代交代を告げつつある障害界ですが、残念なのがビッグレースが中山グランドジャンプと中山大障害の2レースのみで、どちらも同じ中山競馬場での開催という点ではないでしょうか。
日本の馬産においては障害レースで実績を残して種牡馬入りしても苦戦が免れないですが、海外での障害レースの人気の高さは日本の比ではないと思わされるのが、イギリスで開催されている世界最大規模の障害レースであるG3・グランドナショナルです。
昨年はコロナ禍のため残念ながら中止となっていますが、創設1837年という歴史あるレースで、芝左回りコースで約6900mで障害数30、かつ7歳以上馬しか出走ができないという日本では今後実施される可能性も低そうな特殊な条件で開催される特異なレースです。
イギリスのエイントリー競馬場で開催された今年のレースは出走可能頭数40頭がフルゲートで開催され、単勝12倍に支持されていたセン馬の8歳馬・ミネラタイムズが勝利し、コンビを組んだレイチェル・ブラックモア騎手が女性騎手としてグランドナショナル初制覇を飾る快挙となりました。
タイムはやや重開催で9分15秒42で、40頭出走した中で完走したのは15頭でした。障害レースのG3にしては高額な賞金となっており、優勝賞金は37万5000ポンドで、日本円に換算すると約5625万円になります。
距離が長いことや障害数が多いことからも、完走すること自体が過酷なレースとなっており、ブックメーカー中心に発売されているレースということもあり、詳細はわかりませんが、売り上げは日本のG1レースの売り上げに匹敵しているという話もある人気レースとなっています。
日本ではまだまだ平地、特に芝のレースに注目が集まる傾向が強い競馬界ですが、世界は広いなと感じさせられますね。