【阪神大賞典2016回顧】シュヴァルグラン天皇賞(春)に王手だ!

天皇賞・春(G1)に向けての前哨戦・阪神大賞典(G2)が日曜日の阪神競馬場で開催された。勝ち時計は3:05.8も、去年のゴールドシップが阪神大賞典3連覇を達成した時のタイムが3:05.9と比べれば、阪神の3000メートルであれば合格点の時計である。

前半1000メートル・61.6も長距離戦特有の超スローペースを考えれば流れたほうだろう。競馬場・馬場状態が違うからあくまでも参考程度にしかならないが、昨年の2500メートルの有馬記念(G1)の前半1000メートルが62.4であった。

1着・シュヴァルグランは2馬身半差の圧勝に近い形。上がり3ハロンもただ1頭の34秒台。道中は中団の7番手。折り合いも問題なしであった。

4コーナーでは馬なりで先団に取り付くと直線では後続を突き放した。阪神3000メートルとこの日のメンバーでは頭一つ力が抜けていたかもしれない。強い競馬であった。

姉であるヴィルシーナは父がディープインパクトであり、シュヴァルグランの父はハーツクライ。この母系のサンデーサイレンス系の種牡馬との相性の良さは証明されつつある。母父・Machiavellianは、ドバイワールドカップ(G1)や皐月賞(G1)、有馬記念(G1)などG1・3勝のヴィクトワールピサがいる。

ヴィクトワールピサの父もサンデーサイレンス系のネオユニヴァースであり、サンデー系と母父・Machiavellianの産駒にも今後は少し注目してみたい。本番は京都3200となる。

メンバーもこの日の11頭立ての少頭数から増え相手も強化される可能性が高い。G1の壁を突き破れるかに注目したいシュヴァルグランの今後である。

2着・タンタアレグリアは自分の力を出しきっており良い競馬。菊花賞(G1)6番人気4着、ダイヤモンドステークス(G3)1番人気4着ときての今回4番人気2着。今後も、この辺りの距離での安定感は武器となり重賞も近いうちに勝てそうな感じである。次も楽しみ。

3着・アドマイヤデウスもさすがG2を2勝している馬である。昨年、天皇賞・春を3番人気に支持されながらの15着惨敗であったが、今回は2度目の3000メートル級の競馬で結果を残した。

G1だと少し頭打ちの成績が見受けられるが、G2クラスであれば、まだまだ十分勝負になる。前走も京都記念(G2)3着であり、個人的には目黒記念(G2)あたりで見てみたい馬である。

父・アドマイヤドン、母父・サンデーサイレンスで芝の3000メートル級で結果を残すとはという感じであるが、母系を見ると、母のロイヤルカードの母がステイヤーズステークス(G2)2着などの成績があるアドマイヤラピス。

妙に納得してしまった、アドマイヤデウスの阪神大賞典3着であった。

2番人気7着の菊花賞馬・トーホウジャッカルはさすがに阪神3000メートルの急坂コースを昨年の8月の札幌記念(G2)以来の競馬では厳しかった。1着から2秒差の7着。

少し惨敗に近い形にも見ることができ、立て直しに時間がかかる可能性もありそうな負け方。プラス18キロ、7ヶ月ぶりの今回を叩いた次走に当然注目してみたい1頭。

5番人気6着のカレンミロティックも軽快な逃げを披露して、最後までよく頑張っていた。8歳のセン馬でこれだけ走ることができれば十分だろう。自分の力は出しきっている。

G1馬が貫録を見せつけるレースというよりかは、これから、G1タイトルを狙うという組が強かった今年の阪神大賞典であった。