【中山牝馬S2016注目馬】アースライズ初重賞制覇なるか?
日曜日の中山メインは、中山牝馬ステークス(G3)が開催される。今年の有力馬の1頭になりそうなのが、アースライズ(牝4 栗東・矢作芳人厩舎)現在の成績は、11戦2勝2着1回。去年の牝馬3冠路線で皆勤賞を成し遂げた立派な馬である。
昨年は、今週と同じ舞台のフラワーカップ(G3)で12番人気ながら2着に激走すると、続く桜花賞(G1)では8着に敗れたものの、距離が800メートル延びたオークス(G1)では13番人気ながら4着に入線している。その後、3歳牝馬ながら、マーメイドステークス(G3)で古馬牝馬に挑戦するが3番人気9着。秋には、秋華賞トライアル・紫苑ステークス(OP)で3番人気に支持されるが7着。
この結果を受けて、次走・本番の秋華賞(G1)では、またしても人気はガタ落ちして単勝164.6倍の16番人気でレースを迎えたがここでも5着に激走している。超ハイペースの中、後方14番手でレースを進めたアースライズにとっては願ってもない展開だった。なかなか、秋華賞が終わるまでは人気すると走らない、人気が下がると走るという天邪鬼的なところがあったが、直近の2走は実に安定した走りを見せてくれている。
年末に行われたカウントダウンステークス(3歳以上1600万下 芝2000)では3番人気1着。前半1000メートル・63.2の流れを中団のインコースで追走すると、直線は狭い所を割って最後までしっかりと伸びた。根性と牝馬特有の切れが光ったレースだった。
年が明けると、1月の中京2000メートル・愛知杯(G3)に参戦。1000メートル通過が59.2のピシッと締まった流れを10番手前後で追走すると、直線ではよく脚を伸ばしたが、更に後方にいたグループに最後はかわされて3着と惜しい競馬をした。前走は、一度、完全に先頭に立っており、内容は非常に濃いものがあった。
父・マンハッタンカフェ、母・ライジングクロス、母父・Cape Crossという血統。母のライジングクロスは、イギリスオークス(英G1)2着の他に、パークヒルステークス(G2)1着という成績がある馬。スタミナは豊富な血脈である。
母父・Cape Crossは近年では、2009年の日本ダービー(G1)を勝ったロジユニヴァースがいる。ロジユニヴァースのダービーでの勝ちタイムは2:33.7。不良を通り越して、田んぼの中でレースが行われているのかと間違えるようなスタミナを要する極悪馬場で4馬身差の圧勝を決めており、おそらくこの点はオークス4着の実績を持つアースライズにも確かに受け継がれている。
父のマンハッタンカフェは、天皇賞・春(G1)を勝ったヒルノダムールや、NHKマイルカップ(G1)を勝ったジョーカプチーノ、ダートのフェブラリーステークス(G1)1着・グレープブランデーが産駒におり母系の良さを引き出すのが上手な種牡馬である。
アースライズもマイルの桜花賞で8着に敗れた後にオークスで好走していることを考えると、中距離以上で結果を残しそうな馬だ。中山は直線で急坂が待ち構えており、最後の我慢比べも見応えがある競馬場。
2走前の阪神の準OPも急坂を全く問題にしなかった。今週はアースライズの初重賞制覇なるかにも注目してみたい。