【日経賞2016有力馬】ポン駆け効くゴールドアクター
26日の土曜日の中山メインは古馬G2の日経賞が開催される。有馬記念と同じ2500メートル戦での戦い。ここを叩いて本番のG1へという馬もいれば、G1よりもまずはこのレースに全力投球という馬もいるのがこの日経賞の特徴でもある。
今年の日経賞の注目はゴールドアクター。前走は有馬記念を8番人気の低評価を覆しての勝利ということでファンを驚かせたが、今年は昨年の立場と違い王者として1年を戦い抜きたいと関係者も思っているだろう。
ゴールドアクターにとっては3ヶ月ぶりの競馬となるが、この馬の休養明けの成績は【3-0-0-0】。ポン駆けも効くタイプで今回も休み明けだが、この辺りはこの馬に限っては特に気にする必要もないかもしれない。約6ヶ月という長い休養明けでも勝っている。2500メートル以上の成績も【4-0-1-0】。昨年は4戦4勝のパーフェクトな競馬を披露した。
父・スクリーンヒーロー、母・ヘイロンシン、母父・キョウワアリシバという血統である。父のスクリーンヒーローは現役時代にまだ短期免許で日本で騎乗していたデムーロ騎手が手綱を取り、ジャパンカップを9番人気で制覇している。アルゼンチン共和国杯(G2)1着からの次走で初G1制覇は親子揃って同じである。種牡馬入りした当初はあまり大きな期待はかけられていなかったが、マイル王者のモーリスを輩出して、更に王道路線でもゴールドアクターが出現した。
母父のキョウワアリシバは現役時代は重賞未勝利であり、種牡馬入り後も特に目立った活躍馬はいないが、近親に牝馬3冠を達成したスティルインラブやオークス(G1)を勝ったローブデコルテがいる。ただ、やっぱり、この血統で社台グループ中心の超良血軍団相手に有馬記念を勝つのは驚きである。
鞍上の吉田隼人騎手も、管理する美浦の中川公成厩舎もゴールドアクターで初のG1勝ち。エリート集団ばかりが勝つ競馬はおもしろくないという競馬ファンにとっては、たまらない馬の1頭になりつつある。
デビューしてから3歳春までの成績が【1-2-0-3】であり、3歳夏~現在までが【6-0-1-0】と上がり馬と呼ぶにふさわしい戦績を刻んでいる。
思えば父のスクリーンヒーローも2、3歳時は成績が安定しなかったが、4歳の夏に復帰するとあっという間にG1制覇を果たした。代表産駒の1頭のモーリスも3歳春までは成績が安定しなかったが、休養を挟んで4歳となり、連勝街道を突き進み始めた。
この3頭の共通点は3歳時は安定せずに半年以上の休養を挟み、その後にG1を制しているところ。親父の背中を見て俺らは育ったんだといわんばかりの、よく似た競走馬生活を送っていると感じる。
父のスクリーンヒーローはジャパンカップを制した翌年の5歳まで現役で走ったがG1の最高着順は天皇賞・秋の2着に終わっている。
今年、ゴールドアクターは5歳となった。父が果たせなかった5歳でのG1勝利と2つ目のG1を獲れるかにも注目してみたい。父の成績を超えるためにゴールドアクターが2016年の初戦を迎える。