ロジユニヴァース、種牡馬としての秘めた可能性とは?
「ダービー馬はダービー馬から」という格言もあるように、血統が重要視される世界でダービー馬という称号の持つ意味は特別なものがあると言えるでしょう。
日本の競馬史を辿っていくと、これまで87回行われた日本ダービーにおいて、カブトヤマからマツミドリ、ミナミホマレからゴールデンウェーブとダイゴホマレ、シンボリルドルフからトウカイテイオー、タニノギムレットからウオッカ、ネオユニヴァースからロジユニヴァース、キングカメハメハからドゥラメンテとレイデオロ、そしてディープインパクトからディープブリランテ、キズナ、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、コントレイルと、14頭の親子ダービー制覇がこれまで実現しています。
中でも今回紹介したいのは76回のダービー馬となったロジユニヴァースです。7月に阪神の芝1800mでデビューしたロジユニヴァースは、好位からレースを進めて初勝利を挙げました。その後は札幌2歳S、ラジオNIKKEI賞をリーチザクラウンを制して勝利するなど、無傷の3連勝で2歳戦を終えました。
3歳春の始動に選んだ弥生賞では単勝1.3倍の断トツの支持に応えて見事勝利し、続く皐月賞でも1.7倍の単勝オッズをつけましたが、ハイペースに巻き込まれ、まさかの14着と大敗しました。
続く日本ダービーは大雨に見舞われたこともあり、40年ぶりとなる不良馬場の中、大逃げを打つNHKマイルカップ勝ち馬のジョーカプチーノ、2番手に続くリーチザクラウンを見る形で3番手追走から、終わってみたら4馬身差の圧勝となる衝撃のダービー制覇となりました。
その後は脚部不安や体調不良による長期休養を余儀なくされ、思うような競走生活は送れませんでしたが、2014年から種牡馬入りしており、新冠町の優駿スタリオンステーションで今も元気に活躍しています。
今年で供用8年目となりますが、これまで4世代がデビューし、JRAでは3勝を挙げたロジティナ、ロジベルベストが実績馬と寂しい戦績とはなっていますが、地方ではリバイブ、シーサンブーター、マイコートといった重賞勝ち馬を輩出しており、まだまだこれから巻き返す可能性も秘めています。
現状中央でダービー馬輩出を目指すのは奇跡的な活躍が望まれますが、中央ではなく南関東で「ダービー馬はダービー馬から」が実現するかもしれず、繁殖牝馬に恵まれているとはいえませんが、これから生まれてくる産駒も含め、長い目で応援したい種牡馬ですね。