ルージュバックの挑戦。札幌記念は凱旋門賞への"栄光への架け橋"となるか?
今年の札幌記念(8/23、G2、札幌芝2000m)はかなり豪華なメンバーが予想され、出走馬を聞いただけで胸踊らす競馬ファンも多いのではないだろうか。オークス2着馬のルージュバックや、菊花賞馬のトーホウジャッカル、エリザベス女王杯を制したラキシス、昨年G2を2連勝したラストインパクトなどの面々が揃う予定だ。まるでG1並みのメンバーである。
中でも、牝馬のルージュバックは女性が強い現代社会を表すかのように活躍が目覚ましい。今月6日に函館へ入厩し、札幌記念へ向けて着々と準備を進めている。
凱旋門賞への期待
昨年、ルージュバックと同じ馬主が所有する馬ハープスターが札幌記念を勝って3歳牝馬として初めて凱旋門賞へ挑戦したことは記憶に新しい。2着に入着したゴールドシップも同じく凱旋門賞へ挑戦していることから、札幌記念の結果次第では凱旋門賞へ挑戦する可能性は高いと考えて良いだろう。
日本馬を代表する2頭の活躍が期待されたが、結果はハープスターが6着、ゴールドシップは14着と惨敗だった。長い歴史の中でいまだに欧州調教馬しか優勝しておらず、"凱旋門賞優勝"は日本競馬界の悲願とも言えるだろう。
そんな凱旋門賞への期待もかかった札幌記念は、多くの競馬ファンのみならずたくさんの競馬関係者の注目が集まるレースとなっている。
なぜそこまで凱旋門賞にこだわるのか?
凱旋門賞は競馬界の"国際血統選手権"とも言える国際的なイベントであり、世界各地の競馬関係者の注目が集まる世界規模のレースである。凱旋門賞を優勝した馬の血統は世界中の競馬関係者に注目され、その価値は一気に上がることとなるだろう。フランス産馬やアメリカ産馬の優秀さが世界に認められたのは凱旋門賞がきっかけだったと言っても過言ではない。
優勝することでその馬の血統が注目されるということは、凱旋門賞はサラブレッド生産において歴史的にも大きな役割を果たすレースであると言えるのではないだろうか。凱旋門賞で優勝すれば種牡馬や種牝馬として必ず成功するというわけではないが、世界的に注目を浴びることの価値はとても大きい。
昨年凱旋門賞に挑戦したハープスターは今年の5月に引退し、ゴールドシップも今年の有馬記念を最後に引退する予定だ。競馬界のアイドルルージュバックは偉大なる先輩たちの意思を受け継ぐことができるだろうか。栄光への架け橋となり得る札幌記念での活躍に期待は高まる一方である。