競走馬の故障は本当に高速馬場のせい?
故障馬が出るたびに言われることの一つに「高速馬場」があげられます。
今年のクラシック路線でもわかりやすい例では日本ダービー出走馬の故障が多い点が目立ちました。
勝ち馬ドゥラメンテ、人気を分け合ったリアルスティール、夏競馬に転戦したミュゼスルタンが戦線離脱。日本の馬場は固すぎる、時計が速過ぎる、だから故障馬が続出する、といった意見もあります。
ですが、日本ダービーの1週前に行われたオークスからは故障馬が出ていません。馬場の良さ云々でいえばオークスのときのほうが芝は良かったわけで、高速馬場の理屈でいけば、オークス出走馬からも戦線離脱馬が出ていて不思議ないわけです。
それでは血統や配合によるのか?古くは近親配合と危ぶまれたエルコンドルパサーも、海外からは「ありえない配合」と非難に近い論調で書かれた馬ですが、結果はみなさんご存知の通りで、後に欧州競馬の配合でも活かされました。ダートも芝もこなし、かつ故障どころかヨーロッパの馬場もこなし、凱旋門賞ではあと少しの2着まで走れた馬です。もちろん当時と今では馬場は違うため、一概に比較はできないかもしれません。
長期休養を余儀なくされた馬の話をしているわけですが、これには理由があります。そう、ようやく復帰予定のショウナンアデラがローズSに出走を予定しているからです。2歳女王となり、桜花賞・オークスでも印がついたであろうディープインパクト産駒です。まさかの戦線離脱でしたが、阪神JFから実に9ヶ月ぶり、ようやくの復帰予定です。
故障は結局は馬場のせいなのか。あるいは調教の負荷による疲労蓄積の結果なのか。はたまた結局は運・不運だから仕方がないのか。
好きな馬、強い馬が出るから競馬場に行く、というファンはかなりいます。それはPATが普及したいまでも変わりません。無事是名馬ともいいます。競馬ファンには、馬券が当たればあとはいいやというファンもいますし、好きな馬・応援している馬にいいレースをしてほしい、レベルが高いレースに出て戦ってほしいと思っているファンもいます。
もし今後、馬場に原因があると科学的に検証・証明されればですが、改善の余地はかなりありますよね。ジャパンCなどせっかく高額賞金の国際レースを組んでいても、高速馬場を理由に来てもらえないようではもったいないです。特に最近はジャパンCではなく、香港の国際レースにかなり海外馬が流れているのが現状です。
今月は秋華賞・菊花賞トライアルが組まれています。キャリアが浅い3歳馬たちには特に無事に乗り越え、古馬としても、繁殖に進んだ後も、末永く活躍してほしいものです。