【JRAファンタジーS2025】開花を予感させるフェスティバルヒル、兄に続く栄光を狙う

今週土曜の京都競馬メインレースは、芝1400mで行われる2歳牝馬限定のG3「ファンタジーステークス」。登録14頭全馬が出走可能な小粒ながら実力拮抗のメンバー構成となっており、来春のクラシックを占う上でも注目の一戦となる。
過去10年の勝ち馬には、後にG1戦線で名を馳せたダノンファンタジー、レシステンシア、メイケイエールといった名牝たちが名を連ねる。一方で近年は飛び抜けた存在の出現が少なく、今年の勝ち馬がその流れを変える存在となるかに注目が集まる。
なかでも注目は、前走・新潟2歳ステークスで3着に好走したフェスティバルヒル(牝2、鹿戸雄一厩舎)。後方から長く脚を使って鋭く伸びた内容は、重賞戦線でも十分通用するインパクトがあった。今回はC.デムーロ騎手との新コンビで臨む点も話題で、同騎手は翌日の天皇賞・秋でフェスティバルヒルの兄・ミュージアムマイルに騎乗予定。土日で兄妹そろっての重賞制覇となれば、まさに話題を独占する週末となるだろう。
サトノクラウン産駒のポペット(牝2、武井亮厩舎)は、札幌2歳ステークスで距離延長に挑んだが9着に敗退。中団から伸びを欠いたが、デビュー戦は芝1500mで快勝しており、今回は距離短縮がプラスに働く可能性が高い。鞍上にはベテランの横山典弘騎手を迎え、新味を引き出す構えだ。人気を落とすようなら、馬券的にも見逃せない存在となる。
もう一頭、リアルスティール産駒のショウナンカリス(牝2、高野友和厩舎)も侮れない。デビューから芝1200m戦を中心に使われ、ここまで2着2回と安定感を誇る。前走のすずらん賞では1番人気に支持されながら2着惜敗だったが、終いの伸び脚は確か。引き続き池添騎手が手綱を取る今回は、1400mへの距離延長で展開が向けば初重賞制覇のチャンスも十分だ。
将来の牝馬クラシックを見据える若き才能たちが集うファンタジーステークス。今年の勝ち馬が後のG1戦線を彩る存在となるのか、それとも新たなスターがここから誕生するのか。秋の京都で、新世代牝馬の勢力図が一気に動く一戦となる。

