フェブランシェがBCフィリー&メアスプリントを右前肢違和感で回避

地方競馬界にとって大きな挑戦となるはずだった夢の舞台が、無念の形で幕を閉じた。11月1日に米デルマー競馬場で行われる「BCフィリー&メアスプリント」(G1、ダ1400m)への出走を予定していたフェブランシェ(牝5、藤田輝厩舎)が、出走を取り消すことが分かった。29日、所属するキャロットクラブが公式サイトで発表した。
発表によると、フェブランシェは前日に行われた主催者サイドの獣医師による歩様チェックで右前肢に違和感を指摘された。その後、陣営はケアと精密検査を行ったものの、違和感が完全には解消されなかったため、陣営と関係者の協議の末、出走を断念する判断が下された。馬の状態を最優先した結果であり、陣営も「残念だが、無理はさせられない」とコメントしている。
フェブランシェはJRAでキャリアをスタートし、昨年末に大井競馬へ移籍。地方転入後は持ち前のスピードを武器に頭角を現し、7月の川崎・スパーキングレディーカップで待望のダートグレード競走初制覇を果たした。ブリーダーズカップでは、地方の名手・吉原寛人騎手とのコンビで挑む予定で、すでに現地で調整を進めていた。地方所属馬として史上初めてブリーダーズカップに挑戦するという、歴史的な試みになるはずだっただけに、その取り消しは大きな痛手と言える。
藤田輝信調教師は昨年、マンダリンヒーローで地方所属馬として初の米G1挑戦となるサンタアニタダービーに挑戦し、鼻差の2着という快挙を達成していた。それだけに今回の挑戦にも強い意欲を示していたが、夢の再現は叶わなかった。フェブランシェは帰国後、状態を見極めたうえで今後の進路が検討される予定。

