秋華賞に出走するジョスランは、前走の紫苑ステークスで2着と好走。そこに至るまでのキャリア全体を見ても、着実な成長を遂げており、今回のG1舞台でも無視できない存在となる。

紫苑ステークスでは、ルメール騎手がスローながら縦長となった展開を見極め、好枠を捨ててまで「いつでも動ける外のポジション」を選択。その判断が功を奏し、最後は中山向きの脚を使って2着に浮上した。ルメール騎手自身も「いい脚は使ってくれたが、前が止まらなかった」と語っており、展開不利の中で力を示した内容だったことは明白だ。

また、3走前のフラワーカップ（中山1800m）では、理想的な位置取りから勝ち馬と差のない4着。道中のリズムも良く、コース適性の高さを見せた一戦だった。加えて、カーネーションカップでの快勝、そして紫苑Sでの連対と、確実にパフォーマンスを上げている点も見逃せない。

今回の秋華賞では2枠3番という内寄りの枠に入った。外を回す形が合っている印象もあるが、加速に時間がかかるタイプであること、そして折り合い面に課題があることを考えると、内で壁を作りながら脚を溜める競馬ができるこの枠はむしろプラスに働く可能性がある。

鞍上はルメール騎手から岩田望来騎手に替わるが、近走の騎乗ぶりからすれば大きな不安材料とは言えない。岩田騎手自身も今季好調を維持しており、G1でも堂々と勝負できる状態にありそうだ。

加速に時間を要するジョスランにとって、下り坂から加速できる京都内回りコースは理想的。差しの効く展開が目立つ近年の秋華賞傾向にも合致する。成長度、適性、勢いの三拍子が揃っており、ここでの好走は十分に期待できよう。

上積みを感じさせる内容でここまで来た以上、G1の舞台で一気の飛躍があっても驚けないはずだ。