【富士ステークス2025予想】逃げ馬不在でスロー決着濃厚か?ウンブライルの瞬発力に期待

土曜の東京メインで行われるG2「富士S」は、秋のマイル王決定戦・マイルCSへとつながる重要な前哨戦。例年にも増してハイレベルなメンバーが揃った今年は、春秋マイルG1連覇を狙うジャンタルマンタルを筆頭に、ソウルラッシュやシャンパンカラーといったG1馬が顔をそろえる。さらに過去にマイルG1で上位を経験した実力馬も含め、まるで本番さながらの豪華な一戦となった。
そんな強豪ひしめく中で注目したいのは、紅一点の存在ウンブライルだ。3歳時にはNHKマイルCで2着に好走し、当時は将来の女王マイラーとして期待を集めていた。しかし、その後はスランプに陥り、5戦してG2で2着が一度あるのみ。掲示板にすら載れないレースも続き、復活を信じるファンも少なくなっていた。
だが、今年に入ってからウンブライルに再び光が差し始めた。5歳シーズン初戦、2戦目こそ結果が出なかったものの、前々走の府中牝馬Sでは12番人気ながら4着に健闘。前残りの展開を唯一、後方から鋭く追い込んで存在感を示した。久々に“あの頃の末脚”を感じさせる走りで、復調の兆しをはっきりと見せつけた一戦だったと言えよう。
さらに、新潟芝1800mで行われた前走のOP・関越Sでは、牡馬相手に上がり最速の末脚で快勝。NHKマイルCで見せた時と同じように、切れ味鋭い末脚で勝利を掴み取った。まさに完全復活を印象づける内容だったといえる。
そして今年の富士Sは展開面でもウンブライルにとって追い風となりそうだ。出走メンバーを見る限り、明確な逃げ馬が不在。スローペースからの瞬発力勝負が濃厚であり、究極の上がり勝負になればウンブライルの末脚が最大限に生きる舞台が整う。
豪華メンバーが揃うマイル前哨戦において、紅一点の存在が輝きを放つか。見逃せない一戦となる。

