【中山記念2023予想】ソーヴァリアントの〝危険サイン〟は初の1800mか?
中山競馬の日曜メインは大阪杯への重要な前哨戦に位置づけられる一戦「中山記念」。今年は前走のチャレンジCを快勝し連覇を果たしたソーヴァリアントが主役となりそうだ。
今回は20年のホープフルSの勝ち馬で近2戦もG1で2連続2着のダノンザキッドをはじめ、昨年の秋華賞馬のスタニングローズ、21年のNHKマイルCの覇者シュネルマイスターなど、G1馬が多数参戦。G1で連対経験のある馬も多く、G1の出走経験すらないソーヴァリアントは実績的には一枚劣る印象だ。
そんな中でも人気を集めている理由は、同馬の中山適性の高さがあるからだろう。3歳時には弥生賞・4着、セントライト記念・2着と中山の中距離重賞戦線で活躍しており、小回りの中山コースは得意舞台。安定した先行力を持ちながら、しまいの脚も堅実。前目から押し切る競馬がこの馬の得意とする競馬で、中山コースとの相性は抜群である。
今回唯一同馬の不安材料となりそうなのが、“初の1800m”という点。これまで走ってきたレースは全て2000m以上のレースで、長距離でもこなせそうな持続力あふれる末脚を持ち味として活躍してきた。1800mでもその持ち味を発揮できるかどうかが最大のカギとなりそうだ。
中山1800mのコース形態を見ると、1~2コーナーの中間までは上り坂となっておりテンは速くはなりにくい。急坂を上りながらゆっくり進んでいき、ペースとしてはミドルペースになる傾向が強い。スタート後のコーナーで好位を取った馬が有利になりやすいコース形態と言ってよいだろう。
外回りのマイル戦となれば序盤の下り坂も相まって追走力の面で不安が出てくるが、内回りの1800mなら不安は一気に少なくなる。例年の傾向的にも、やはり息を抜いて走れる中距離以上からの距離短縮組との相性は良い。コーナリングが巧い器用なタイプなだけに、あっさりと克服してくれる可能性は高そうだ。
昨年はパンサラッサの前半1000m57.6秒という絶妙なハイペース逃げに各馬が翻弄されたレースだったが、今年は同馬も不在。例年通りの前残りとなれば、ここは中山巧者のソーヴァリアントを素直に上位とみなすのが妥当だろう。