「ノーザンファームミックスセール2025」が10月21日、北海道・苫小牧市のノーザンホースパークで華々しく開幕した。繁殖牝馬と当歳馬を対象にした同セールは午前10時30分にスタートし、序盤から白熱した競り合いが展開された。中でも注目を一身に集めたのが、上場番号10番「デルフィニアIIの2025（牡）」である。

7000万円から始まった競りは瞬く間に価格が上昇し、最終的にはルイビルレーシングが4億6000万円で落札。昨年の「マーゴットディドの2024」（2億9000万円）を大きく上回り、セール史上最高額を塗り替える歴史的な取引となった。同レーシングはさらに、上場番号1番の「カルタエンブルハーダの2025」（牡、父エピファネイア）も2億2000万円で落札しており、圧倒的な存在感を示した。

今回の最高額馬「デルフィニアIIの2025」は、父キタサンブラック、母デルフィニアII、母の父Galileoという超良血。半兄のリラエンブレム（牡3、栗東・武幸四郎厩舎）は今年のシンザン記念を制し、日本ダービーにも出走した実績を持つ。また、全兄のエムズビギン（牡2、栗東・友道康夫厩舎）は昨年のセレクトセール1歳馬部門で5億9000万円（税抜）という歴代2位の高額で取引された注目馬だ。

血統・実績・期待値、すべてがトップクラスの背景を持つこの若駒に対し、関係者からは「日本を代表するスターホースになる資質を秘めている」との声も上がる。名門ルイビルレーシングが手にした“新たな宝”は、近い将来、セリ市場の話題をそのままターフ上へと持ち込む可能性が高い。今後の成長とデビューが、早くも大きな注目を集めている。