日曜の中山メインは2025年の中央競馬を締めくくるグランプリ「有馬記念」が開催。この秋にはテレビドラマ「ロイヤルファミリー」が放送され、競馬という文化、そして有馬記念というレースが持つ特別な存在感が、改めて多くの人に認識された一年となった。その集大成となる一戦は、今年も世代と実績が交錯する最高峰の舞台となる。

その有馬記念で注目したい存在がレイデオロ産駒の3歳馬エキサイトバイオだ。前走の菊花賞では13番人気の低評価を覆し3着に好走。結果以上に中身が濃く、非常に価値の高い一戦だった。

エキサイトバイオはラジオNIKKEI賞を制してはいたものの、約3か月ぶりの実戦でいきなりのG1挑戦。距離も一気に3000mへ延びる条件で、人気を落としたのは当然だった。しかしレースでは、終盤の直線で一旦先頭に立ち、後方から迫る勝ち馬、2着馬の強烈な追撃を受けながらも、最後まで脚色は衰えず3着を死守した。並ばれてからも踏ん張り切った姿は「強い」の一言に尽きる内容だった。

菊花賞は古くから「最も強い馬が勝つ」と言われるレースで、そのレースレベルの高さは歴史が証明している。その舞台で最も見どころのある競馬をし、最も厳しい展開を演じたのがエキサイトバイオだったと断言できる。

今回は菊花賞を叩いての2戦目となり、上積みは大きい。枠順も最内の1番枠を引き当て、ロスなく立ち回れる条件が整った。鞍上の荻野極騎手も今年はキャリアハイとなる勝利数を更新中で、勢いは十分だ。馬、騎手、枠順と、能力を最大限に発揮するための要素はすべて揃った。

初めての古馬との対戦が、いきなりグランプリという高い壁であることは事実だ。しかし、菊花賞で世代屈指の強さを示したエキサイトバイオなら、その勢いと地力で歴史を塗り替える可能性はある。有馬記念制覇を現実的な目標として期待したい存在だ。