“不死鳥”グラスワンダー、種牡馬を引退。血は受け継がれていく
スピードシンボリに続く史上2頭目のグランプリ三連覇という記録を打ち立てた名馬「グラスワンダー」が、種牡馬を引退することが明らかになった。グラスワンダーは現在北海道新冠町のビッグレッドファームでけい養されており、今後は同ファーム近くの明和牧場を余生を送る予定となっている。
第二次競馬ブーム真っただ中の1997年、グラスワンダーは9月に中山でデビュー。同年の京成杯3歳Sを制し重賞初制覇を果たすと、続く朝日杯3歳Sを制してG1初制覇を達成。勝ちタイムは1分33秒6のレコードV(当時)でデビューから無傷の4連勝という圧倒的なパフォーマンスで朝日杯3歳Sを優勝し、同年の最優秀2歳牡馬に輝いた。
翌年の1998年は骨折による怪我に悩まされる時期もあったが、同年の有馬記念を優勝し、外国産馬としては初の同レース優勝を果たした。1999年には宝塚記念と有馬記念でスペシャルウィーク相手に圧勝し、世代上位の力を見せ付け、グランプリレース3連覇を達成。同年のJRA賞特別賞を受賞した。怪我の影響をものともせず大きな実績を残したことから「不死鳥」の異名を取り人気を集めた。
再び骨折を患ったことで2000年の宝塚記念(6着)を最後に現役を引退し、2001年より種牡馬となった。産駒にはジャパンカップ優勝馬スクリーンヒーロー、宝塚記念優勝馬アーネストリー、朝日杯フューチュリティステークス優勝馬セイウンワンダーなど多くのG1馬を輩出し、種牡馬としても大きく貢献した。
中でもスクリーンヒーローは後継種牡馬として確固たる地位を確立させており、モーリス、ゴールドアクター、グァンチャーレと3頭の後継種牡馬を送り出している。今後同産駒の馬たちが活躍していくことによって、血統は受け継がれていくことになるだろう。