【注目新馬】ダート家系のハイスピードカム、芝スプリントからデビュー
未だ実力不透明な競走馬が集う2歳戦ですが、一口馬主やPOGファンなど重賞レースとはまた違った興奮が味わえる楽しみがあります。中でも特に注目なのが「メイクデビュー」でしょう。
芝でいくかダートを使うか、デビューする距離で大目標を推し量り、血統からどのようなレースをするのかなどをイメージしながら路線が決められますが、気がつけばあらぬところで適性が開花するというのも競馬ではよく見る光景です。
そんなデビュー初戦を今週迎える馬の中で注目したいのが栗東・羽月厩舎の「ハイスピードカム」です。父はダートで活躍したスマートファルコン、母はエリモトゥデイで母の父がワイルドラッシュと、血統背景を見るとダート色が強く、生産者も意図した配合ではないかと思えなくもありません。
さらに、父カネヒキリの半兄ディオスコリダーはカペラステークスを含んだ5勝をあげており、祖母レースカムの全兄、いわゆる大伯父にあたるスキャンはアメリカでG1を2勝して日本でも種牡馬入りもしており、どこを切り取ってもダート色といった家系となっております。
しかしながら、陣営が選択したデビュー戦は意外にも芝1200m。4日の小倉6Rの2歳新馬に、水口優也騎手で出走が決まりました。
無難に考えるならダートを走らせたくなる血統ですが、日本においては芝路線のほうがメインストリームであるというのも正直なところ。勝算あってのものなのか、はたまた手探りでまずは芝も試してみようという温度感は陣営のみぞ知るところですが、興味深い参戦となりました。