【天皇賞秋2017】キタサンブラック、宝塚記念の負けは巻き返しの布石か?!
菊花賞が終わり、いよいよ天皇賞秋が開催となります。年内で引退することを発表したキタサンブラック、毎日王冠を制して復活したリアルスティール、三度目の正直で鬼門のレース優勝を狙うサトノクラウン、苦杯をなめさせられた毎日王冠から巻き返しを狙うソウルスターリングなど豪華なメンバーが揃いました。
18頭のフルゲートで登録馬は20頭。G1馬8頭が集結する中でとくに注目を集めるのはG1・5勝を挙げているキタサンブラックでしょう。秋3戦目の有馬記念で引退を控えての1戦目となります。実績ではこのメンバーの中でも抜けた存在ですが、前走の宝塚記念では単勝オッズ1.4倍の人気に推されるも9着と大敗。引退まで残り3戦となった今、秋初戦で巻き返して好スタートをきりたいだけに注目度の高い一戦と言えます。
前走宝塚記念の敗因は結局何だったのか?
前走宝塚記念はまさかの9着。敗因については「逃げなかったから」「逃げ馬のペースに巻き込まれたから」「目に見えぬ疲労があった」など、多くのファンの間で様々な見解が飛び交い、論争が繰り広げられたのではないでしょうか。
前走のレースラップを見ると、12.5-11.1-11.6と最初の3Fで逃げ馬のシュヴァルグランが自分のペースを作って逃げるため速いタイムを刻んでおります。「逃げなかった」というよりは福永騎手が逃げさせなかったので、武豊騎手もそこで無理せずに控えたというのが個人的な序盤の見解です。
しかし、前の位置取り合戦にシャケトラも加わりペースは乱ペースに。一旦ペースが落ち着くと今度はすぐにデムーロ騎手のサトノクラウンが外から上がっていってキタサンブラックを後ろから突いていき、これに反応してしまったキタサンブラックは一気に上げきる競馬となってしまいました。息を入れたかったであろうシュヴァルグランの福永騎手もプレッシャーをかけられ緩めることができません。仕掛けのタイミングが早すぎたせいか、最後はキタサンブラックのいつもの一足使った伸びは見られずに9着に沈む結果となりました。
逃げれなかったこと、後ろから突かれ自分のペースで競馬が出来なかったという一連の流れが敗因の1つであった可能性は高そうです。しかし、個人的にはそんな状況でも伸びてくるような馬と高く評価していた部分があったので、展開以外にも、状態面がベストでなかったという可能性は十分あったと考えられます。敗因を聞かれた際の武豊騎手の「正直、よくわからないです。」というコメントは、あの状態でも勝てる見込みがあったからこそ言えるコメントではないでしょうか。宝塚記念の前走の天皇賞春ではレコードVを果たしていることからも相当速いペースで流れたタフな競馬でしたし、反動が無かったとも限りません。
天皇賞秋はキタサンブラック向きの競馬となる可能性が高い?
宝塚記念は位置取り合戦に加えて後続から突かれる競馬で乱ペースとなり、結果、先行馬はほぼ全滅する形となりました。下手に競りかけていくと共倒れになるというのが先行馬にとって認識されたのは、キタサンブラックにとっては嬉しい結果と言えるでしょう。主導権が取りやすくなればまたこの馬向きの競馬を展開することが出来ますし、そういった意味では宝塚記念の負けは良い布石となったのではないでしょうか。
秋の3戦をこなすために夏はしっかりと休めましたし、状態面もリセットできたのではないでしょうか。宝塚記念以来のレースとなりますが、鉄砲実績もある馬なのでそこまで気にしなくても良さそうです。東京適性も「3-0-0-1」と十分な戦績です。休み明けも苦にせず、2000mの距離も、東京コースも問題なし。2週前追い切りからしっかり動いて時計も出しており、G1・6勝目へ向けて視界は良好のようです。