【オークス2026】主役はスターアニス、立ちはだかるのは2400mの壁
公開: 2026/05/20 15:33

桜花賞を快勝し、2冠制覇へ向けてオークスに駒を進めてきたスターアニス。その実力は世代トップクラスと言って差し支えないが、東京芝2400mという未知の舞台には大きなテーマも横たわる。
前走の桜花賞は、能力の高さと精神力の強さを同時に示した一戦だった。スタート直後から前進気勢が強く、放っておけば先頭まで行きかねないほどの手応え。それでも鞍上は折り合いに専念し、道中は我慢を徹底した。
レース中盤、3〜4コーナーでは11.6―11.5―11.5とわずかにラップが緩み、ラスト2ハロン目には11.1を記録。そのタイミングで外からほぼ馬なりのまま先行勢に並びかけた内容は圧巻だった。序盤には周囲の動きによって若干リズムを乱しそうな場面もあったが、集中力が切れることはなく、手綱を引かれながらも辛抱。直線で外に持ち出されると、一気に突き抜けて独壇場となった。
パドックで見せる落ち着きも際立つ。3歳牝馬離れした精神的なタフさがあり、レースでもその強みが存分に生きている。
一方で、最大の焦点はやはり距離延長への対応だろう。本質的にはマイル前後がベストとも映るタイプで、やや行きたがる気性は依然として課題。今回のオークスでペースが落ち着くようなら、折り合い面に不安が生じる可能性もある。
血統背景を見ても距離不安説には一定の説得力がある。父ドレフォンは現役時代、GⅠ3勝をすべてダート6〜7ハロンで挙げたスピード型。母エピセアロームも2012年セントウルSを制した短距離馬で、半兄バルサムノートも芝1400mで結果を残している。母系には短距離色の濃い活躍馬が並ぶ。
過去にも、1997年キョウエイマーチ、2015年レッツゴードンキといった“桜花賞圧勝組”がオークスで大敗した歴史がある。いずれもスピード能力で桜花賞を制したタイプであり、スターアニスにも同様の懸念が向けられるのは自然な流れだ。
それでも、前走のレースぶりからは単純なスプリンター、マイラーではない奥深さも感じさせる。折り合いさえつけば、世代限定戦の2400mなら克服可能という見立ても十分成り立つ。
さらに、データ面は強力な追い風となる。1984年のグレード制導入以降、オークスに出走した桜花賞馬37頭は11勝、2着8回。距離が800m延長されるにもかかわらず、連対率は5割を超える。桜花賞馬という肩書は、オークスでも極めて信頼度が高い。
桜花賞制覇の際、“1冠”を示す人さし指を掲げた松山弘平とのコンビは、当然ながら2冠獲得を強く意識している。スターアニスが距離不安を乗り越え、真の女王として歴史に名を刻むのか。オークスは、その真価が問われる一戦となる。

