【ポインセチアS予想2025】JBC組vs新興勢力、勢力図を読み解く

今週土曜の阪神競馬9レースは、ダート1800mで行われる2歳オープンの別定戦「ポインセチアステークス」が開催。今年は登録11頭とやや少頭数での開催が予定されており、各馬の能力と適性が結果に直結しやすい一戦となる。
本レースは今年から新設されたもので、過去のデータは存在しない。ただし、ダート路線を取り巻く環境は近年大きく変化している。ブリーダーズカップやサウジカップ、ドバイワールドカップといった高額賞金レースが海外で充実し、国内でもダート3冠競走にJRA所属馬が出走可能となったことで、日本のダート競走全体の価値は大きく高まっている。その流れの中で、この時期に2歳のダート1800mというオープンレースが新設された意義は大きく、将来のダート路線を担う素材の発掘という意味でも注目度は高い。
中心視される存在が、祖母に交流G1・エンプレス杯などを制したアムールブリエを持つキズナ産駒のシーズザスローンだ。芝中距離でデビューしたが勝ち切れない競馬が続き、ダートに転向後に初勝利を挙げている。前走のJBC2歳優駿では1番人気に支持されたものの、逃げた結果4着に敗れた。ただし、未勝利戦では阪神ダート1800mで7馬身差の圧勝を飾っており、舞台適性の高さは証明済みだ。得意条件に戻る今回は、巻き返しが強く期待される。
ワンダーディーンもダート替わりで評価を上げてきた1頭だ。ディーマジェスティ産駒で、デビュー戦は芝中距離で4着に敗退したが、続く未勝利戦では中山ダート1800mを選択し、2着馬に8馬身差をつける圧勝を見せた。前走のもちの木賞では後方から追い込んでパイロマンサーの2着に入り、ダート中距離での高い適性を示している。今回は短期免許で来日中のジェルー騎手を確保しており、オープンレース初挑戦ながらも楽しみな存在だ。
ほかで注目したいのが、好調を維持する坂井瑠星騎手が騎乗するゴールドドリーム産駒のケンタッキーホームだ。未勝利戦を勝ち上がったばかりで、いきなりのオープンクラス参戦となるが、近親には交流G1・南部杯を制したベストウォーリアがいる血統背景は大きな魅力といえる。ダート中距離での将来性を感じさせる素材で、ここでも軽視はできない。
少頭数ながら素質馬が揃ったポインセチアステークスは、現時点での完成度だけでなく、今後の伸びしろも問われる一戦だ。新設重賞ならぬ新設オープンとして、日本のダート路線の将来を占う意味でも、見逃せないレースとなる。

