【ヴィクトリアマイル回顧】牝馬限定G1でも今はハイレベルレースに
グランアレグリアが圧倒的な支持に応えて、4馬身差の圧勝となったヴィクトリアマイル。2着には人気薄のランプリングアレーが入り、3着にはマジックキャッスルが差し込んできた。上位3頭は全てディープ産駒でマジックキャッスル以外の上位馬は全て距離短縮馬だったように距離適性が少しマイルより長いとこにある馬の方に流れが向いた印象がある。ラップと共にレースを振り返りたい。
ラップは【11.9-10.8-11.6-11.7-11.6-11.2-10.9-11.3】といったようにスマイルカナやレシステンシア・イベリスといった先行馬がそろっていたのでハイペースを予想した人も多かったと思うが、思ったよりもペースは緩かったように感じる。後半3Fはほとんどの馬が33秒前半で上がっていることからも、末脚のキレを求められた印象を受ける。こうなると距離適性が短いとこにある馬にとっては厳しくなるし、末脚のキレを武器にする中距離馬の方に有利に働いたことが分かる。
勝ち馬グランアレグリアは完勝でG1 5勝目となった。ちょっと牝馬限定では次元が違うという感じの走りで他馬を圧倒した。この馬に関しては安田記念でもアクシデントでもなければ間違いなく勝ち負けするだろうし、最終的には秋の天皇賞が最大の目標だろう。個人的には2000mは問題なくこなすと思うので、是非良馬場の東京でこの馬の走りを見たい。
2着ランプリングアレーは人気なかったが、内でうまく脚を溜めながら勝負所で上手く抜け出し2着に食い込んだ。いかにも充実期といった感じで東京の速いマイル戦にも対応してきたことは評価できる。馬場がタフだった中山牝馬でも快勝しているように条件を問わずにしっかり走れるのは大きな強みだろう。ベストは1800だと思うが、充実期を迎えている印象なので、1600~2000は条件問わず走れそう。
3着マジックキャッスルは内枠を活かして上手く差し込んで3着を確保した。この馬も桜花賞を除けば大崩れが少なくしっかり末脚を使ってくる馬で、秋華賞で2着に好走以降一段階レベルアップした印象を受ける。小柄な馬ではあるが、ランプリングアレー同様条件問わずにしっかり走れるのが強み。秋はエリザベス女王杯が最大の目標になると思うが、立ち回りが上手いタイプなので末脚が活きる展開になれば戦えるだろう。
6着レシステンシアに関しては、上りが速くなってしまったようにキレ負けした印象。速い上りを使えるタイプではないので、後続に脚を使わせる展開に持ち込めれればまた変わったのかもしれないが。同形が今回多かったことや、1200からの距離延長だったことも影響したのだろう。1400mでの物凄いパフォーマンスから考えても、厳しい逃げをあえて打つ方がこの馬には合っているだろう。
昨年のヴィクトリアマイルも3着ノームコアは札幌記念を快勝、4着だったトロワゼトワルはその後京成杯を勝ちましたし、5着のダノンファンタジーは12月の阪神カップを勝利。7着のラヴズオンリーユーは今年京都記念を勝ち香港でも勝ったように、ヴィクトリアマイルは牝馬限定G1とは言えハイレベルレースになってきている。牡馬混合G1でもほとんど牝馬が勝っているように、今の牝馬はとにかく強い。牝馬限定G1だがここから巻き返す馬は多くいるはずだ。