【フローラS回顧2021】道中の位置取りがすべてを決めた

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オークスへの優先出走権が与えられるフローラステークス。昨年の勝ち馬ウインマリリンはオークスでも好走しましたし、過去にもモズカッチャンやチェッキーノなど勝ち馬がオークスでも好走しているレース。本番のオークスは東京の2400mというこの時期の牝馬にとってはかなり過酷な舞台ですから、東京の2000mをしっかり走り切れる脚力があれば本番でも戦えるという事だろう。

今回のフローラSのレースラップからいくと【12.5-11.4-11.3-12.1-12.9-12.8-12.6-11.3-11.0-11.5】というレースラップだった。実質7F目まではアンフィニードルの単騎逃げのような状況でしたから、2番手以降はかなりのスローペースだったと見て良いだろう。前日からレコードが出たりする程の馬場状態だったことを考えても、字面以上にペースは緩かったと思う。上位馬を見ても2番手以降の好位につけた馬が独占したことを考えても、後方にいた馬に出番はなかった。17頭中13頭が後半3Fは33秒台で走っていることを考えても能力というより道中の位置取りが着順を決めたといっても過言ではないだろう。

勝ち馬クールキャットは500kgを超える大型馬で、前走は後方から上り最速で追い込んで5着だったが今回はスタートからポジションを取りに行き、勝負所でしっかり末脚を伸ばし快勝した。アルテミスSではかかるとこを見せたりと気性的な若さを見せたりしたが、今回は外目の好位でしっかり折り合っており中山から東京に変わったことで大きくパフォーマンスを上げてきた。半兄にトリオンフがいるので、内回りコースで持続力を活かす方が合ってるかなと見ていたが今回は東京コースで勝ち切ったのは大きいだろう。トリオンフも先行して押し切るような競馬を得意としてましたから、この馬も好位から押し切るような競馬を今後も期待したい。今回は全馬上りにほとんど差のないレースだったが、アルテミスステークスでキレ負けしてる印象があるので、瞬発力勝負よりも持続力勝負の方が本質的には向きそう。オークスでもチャンスのある一頭だと思う。

2着スライリーは14番人気ながら2着に好走した。前走クイーンカップは10着だったが、ここ3戦マイルを使われていたことでスッと先行出来たことが好走の要因だろう。オークスでも通用するかと言われると疑問だが、マイルを走ってきた経験は2000m以上では活きそうだ。

3着ユーバーレーベンは上り最速で追い込むも惜しい3着だった。やはりJFでソダシやサトノレイナスと差のない競馬をしているように、絶対能力はこの世代の中でも最上位のものを持っているのは間違いない。とにかくスタートが下手で行き脚が付かず毎回後方になってしまうのでレースセンスに欠けるが、末脚は確かな物があるので末脚が活きる展開になればオークスに出てくればチャンスはありそう。今回の馬体重減は非常に気になるとこではあるが・・・。

1番人気のオヌールは初の関東遠征の影響か大きく馬体重を減らしていて、本来の走りを見せることが出来なかった。馬体の成長も含めて、秋以降に期待したい。個人的には川田騎手よりもこの馬に関しては武騎手の方が手が合っているように思う。川田騎手は自分で馬を動かす騎手ですから大型馬の方が手が合うと思う。

このレースに関してはほとんど同じような上りを全馬使っており、能力というより道中の位置取りが着順決めたレースだった。距離延長馬が上位を占めたように、先行力が活きたレースだった。ここで大敗してる馬も、条件次第では大きく巻き返してくる馬も多いだろう。