【高松宮記念2016注目馬】スプリント転向後成績抜群のウキヨノカゼ
27日には中京競馬場でスプリントG1の高松宮記念(G1)が行われる。
今年の高松宮記念は直前で昨年の覇者エアロヴェロシティが回避ということもあり大混戦ムードとなっている。展開ひとつやちょっとした仕掛けの差などで勝ち馬が変わるぐらい力は拮抗していると思われる。
今年、注目してみたい馬の1頭は6歳牝馬のウキヨノカゼ(美浦・菊沢隆徳厩舎)この馬は昨年の夏と秋の計3戦で非常に良い競馬をした1頭。
ウキヨノカゼは3歳時にクイーンカップ(G3)1着などの成績があるが、クラシックに向けての調整中に左前脚の不安が出て、その年の秋まで休養を強いられることになった。その後は予定通り秋に戦線復帰したものの、翌年の春まで4戦走り最高着順は9着という結果に終わっている。
昨年の3月のうずしおステークス(4歳以上1600万下 芝1400)で10着に敗れた後は、再び夏まで休養に入り、復帰は7月の函館競馬・TVH杯(3歳以上1600万下 芝1200)となった。復帰してからの成績が良くなかったこともあり人気は10番人気の低評価であったがウキヨノカゼはこのレースを後方10番手からの競馬で差し切り勝ちを収める。
休養明けに近走不振の馬が勝ってしまうのだから驚いたが、ウキヨノカゼにとって実はこのレースは初めてのスプリント戦の競馬であった。初の1200メートルでこれだけの競馬ができればということで、次走はスプリント重賞のキーンランドカップ(G3)を選択。
このレースではスタート直後にダッシュがつかずに最後方16番手からの競馬となったが、鞍上の四位洋文騎手が3コーナー過ぎから積極的に仕掛けていき4コーナーでは7番手まで進出、直線もそのままの勢いで先頭に立つと後続集団の追撃を振り切った。これでスプリント戦は2戦2勝。
その後は10月の秋のスプリント王決定戦のスプリンターズステークス(G1)へ駒を進めるがウキヨノカゼはここでも9番人気の低評価を覆して3着に好走しているのである。
スプリンターズSでもウキヨノカゼはスタートでダッシュがつかずに後ろから2頭目の13番手での競馬を余儀なくされたが、直線は最後までよく伸びていた。
1着ストレイトガールとのタイム差はコンマ2秒差であり、G1馬相手でも芝の1200メートル戦であれば勝負になるという手応えを関係者は掴んだ一戦だったのではないだろうか。
その後は、休養に入り、今年初戦の京都牝馬ステークス(G3)では秋の成績が良かったからなのか4番人気に支持されるが15着の惨敗に終わっている。
このレースはそれまでの3戦と違い1400メートルの重馬場の中での競馬となりもう4コーナーでは全く手ごたえが残っていなかった。初の重馬場と1200メートルから1ハロン延長となった1400メートルというのも影響したかもしれない。
今回の高松宮記念では再び距離が1200メートルに戻る。4ヶ月半の休み明けも前走で叩いた。芝のスプリント戦に限れば【2-0-1-0】と現在のところ馬券圏内を外していないのも魅力的。
父のオンファイアは、ディープインパクトの1歳下の弟である。ディープインパクトは現在、産駒が7週連続の重賞制覇中。兄の勢いの力を借りて、弟のオンファイアも続くことができるか。
ウキヨノカゼにも注目してみたい今年の高松宮記念だ。