温厚で有名な武豊騎手がレース後ブチ切れ!!検量室が凍り付いた。
武豊騎手はよほどの事が起こっても切れる事がないので有名。藤田伸二元騎手なら、間違いなくブチ切れるレベルの事でも切れない。仏の武豊。事件は2002年のNHKマイルカップで起こった。武豊騎手は断然の1番人気タニノギムレットに騎乗していた。
この年、武豊騎手は2月に落馬負傷で前半戦は絶望と言われていたが、驚異的な回復力でNHKマイルCに間に合った。全盛期だった事もあり、騎乗依頼も直ぐに立て続けに1レースで1頭を選択しなければいけない程、手駒はそろっていた。
タニノギムレットにとって、NHKマイルCは絶対に勝利しなければいけないレースだった。四位騎手が騎乗して、1番人気で迎えた皐月賞は、仕掛けが遅れてまさかの3着。勝ったのは超人気薄のノーリーズンだった。全くのノーマークの馬だった。
そして迎えたNHKマイルC。タニノギムレットは、中団で折り合いを完璧につけて、直線に向いた。手応えは抜群。しかし、いきなり前の馬に進路を塞がれた。テレグノシスが内によれたのである。その煽りをもろに受けたタニノギムレットは普通の馬なら戦意喪失するレベルの、大きな不利を受けながら、3着は確保した。
検量室でテレグノシスの鞍上勝浦騎手をみつけると、武豊騎手の怒号が響いた。その声は検量室の外まで響いた。私が武豊騎手をみてきた中で、これだけ憤慨したのをセーブ出来なかったのはこの時だけ。馬主とのいざこざは別にして、ジョッキーに対しては初めてだった。
その後、タニノギムレットは日本ダービーを武豊騎手で勝利し、春のうっ憤を一気に晴らした。