引退功労馬に安定した余生を提供するヴェルサイユリゾートファーム
驚異的な末脚を武器に芝・ダート両方で活躍し、重賞6勝を挙げたブロードアピールは引退した今でもファンが多い1頭ではないでしょうか。中央ではシルクロードS勝利もありますが、当時は11月開催だった2000年の根岸Sが印象に強く残っています。
武幸四郎騎手が騎乗していた1番人気のブロードアピールは、舞台が東京コースとはいえ4コーナーをまわってまだ最後方の位置取りで、逃げる3番人気のエイシンサンルイスの脚が止まらず前有利な展開の中、大外から豪快に突き抜けて、終わってみれば楽勝という競馬でした。
現役引退後は繁殖入りし、17年間で14頭の産駒を送り出しました。直仔からは重賞勝ち馬は出ていませんが、4番仔のミスアンコールからワグネリアンが生まれたことから、日本ダービー馬の祖母として名を残しています。
2019年6月に繁殖を引退し、現在は日高町にあるヴェルサイユリゾートファームで静かに余生を送っており、今年で27歳になりますが、まだまだ元気と伝えられています。
ヴェルサイユリゾートファームは生産・育成を行っているヴェルサイユファームが2019年4月に開設した引退馬の養老牧場で、SNSやクラウドファンディングを利用しながら活動を続けています。
これまで、ローズキングダム、タイキシャトル、メイショウドトウなどの重賞勝ち馬を受けいれてきており、最近ではアドマイヤジャパン、ヒルノダムール、ビービーガルダン、タニノギムレット、オーシャンブルーなどが仲間入りしました。また、昨年12月に仲間入りした、最強の1勝馬といわれたエタリオウは、状況しだいで種牡馬入りのプランもあるとのことです。
オンライン予約は必要になりますが、見学も可能となっています。コロナが落ち着いたら、往年の名馬たちがのんびり余生を過ごす姿を見に行くのも競馬ファンの楽しみの1つになるかもしれませんね。