キーンランドカップに挑むウインカーネリアンは、前走のアルクオーツスプリントで2着と好走して帰国初戦を迎える。ここ2年は夏競馬を休養に充てていたが、今年は久しぶりに夏から始動することとなった。5歳時には関屋記念を制するなど、夏競馬での実績も十分に持つ一頭である。

洋芝の実績は3歳時に出走した2勝クラス・札幌芝2000メートルの5着が唯一だが、距離適性外の舞台での結果であり、大きく割り引く必要はない。むしろ、前走のアルクオーツスプリントでは比較的タフな馬場をこなしており、時計がかかり始めた現在の札幌芝1200メートルは適性に合うと判断できる。

そのアルクオーツスプリントでは、残り300メートルを切って早めに先頭へ抜け出し勝利目前の場面を演出した。しかし、内から鋭く伸びたビリーヴィングにクビ差交わされ、惜しくも2着に敗れた。仕掛けがわずかに早かった点は敗因の一つだが、内容的には勝ち馬と互角以上の走りであり、勝ちに行く姿勢が光った一戦だった。

8歳を迎え衰えを懸念する声もあるが、ベテランらしい落ち着きが武器となっている。1週前追い切りでは函館Wコースで追走先着を果たし、軽快な動きを披露。千島助手も「年齢も年齢なので環境の変化に戸惑う様子もないですね」と語り、帰国後も順調に調整が進んでいることを明かした。状態面の不安は一切ない。

前走の内容からも、スピードの衰えは見られず、高い能力を改めて証明した。高速決着になりやすいハンデ戦では不安が残るが、今回の条件はBコース初週の別定戦。時計のかかる馬場と相まって適性は合致する。格の面でも最上位に位置し、8歳という年齢がハンデとなる舞台ではない。ドバイ帰りでマークされやすい立場ではあるものの、崩れる要素は少なく、中心視すべき存在であることは間違いない。

ウインカーネリアンは、キャリアと実力を兼ね備えた古豪として、今回のキーンランドカップでも大きな期待を背負って立つ。再び国内の舞台で輝きを放つ準備は整っており、勝利をつかむ場面は十分に見込めるだろう。