今週行われる新潟マイルG3「関屋記念」に、前走の阪急杯で5着に敗れたフォーチュンタイムが参戦する。昇級初戦となった阪急杯では、デビューからの高パフォーマンスが評価されて2番人気に推されたが、人気に応えることはできなかった。今回はその雪辱を期す重要な一戦となる。

阪急杯当日は好位の内から運ぶ悪くない競馬を見せたが、スタート直後に行きたがる面を見せて折り合いを欠いた。また、内が伸びない馬場状態も不利に働いた。展開はアサカラキングが2ハロン目からゴールまで全て11秒台でまとめるスピード競馬。先手を取ったアサカラキングが2着に粘り、他の上位馬はすべて差し馬という展開の中で、好位から見せ場を作ったフォーチュンタイムの内容は決して悪くなかった。

これまで5戦4勝という安定感を誇り、唯一敗れた3勝クラスでも、後に重賞を制すトロヴァトーレと0.3秒差の接戦。しかもこの時は出遅れに加え、枠順の不利もあった。敗戦の中にも実力の裏付けがある。

今回は初の新潟コースとなるが、左回りかつ長い直線の舞台は、この馬の好位からしぶとく脚を使う競馬スタイルと合致する。特にマイル戦では4戦3勝、2着1回と崩れておらず、条件はむしろ好転といえる。

加えて、今年からハンデ戦となった関屋記念で、前走から0.5kg減の56.5kgという斤量も好材料。開幕週の高速馬場で前残りが期待される中、常に安定して好位を取れるフォーチュンタイムにとっては、展開面でも追い風となる。ある程度の瞬発力も問われるレースだが、これまでの実績からも対応は可能だろう。

重賞初挑戦となった前走の阪急杯は、敗れたとはいえ内容は評価できるもの。今回は実績と条件が噛み合う舞台で、真価を問われる試金石の一戦となる。ここを勝てば重賞戦線での地位確立も現実味を帯びてくる。悲願の重賞タイトル奪取へ、フォーチュンタイムが満を持して挑む。