秋のマイル王を決める「マイルチャンピオンシップ」が今年も京都競馬場で行われる。主役として期待を集めるのは、安田記念を制して春のマイル王に輝いたジャンタルマンタルだ。史上9頭目となる同一年春秋マイルG1制覇が懸かる一戦で、胸躍る決戦が待ち受ける。

安田記念ではスタート直後に好位の3番手を確保し、外から競られる厳しい展開でも折り合いを失わず、直線では堂々と抜け出した。川田将雅騎手は「外から来られてエキサイトしたが、我慢してくれた。最後は動き続けられたので大丈夫だと思えた」と振り返り、レース内容は王者の風格に満ちたものだった。

その後の富士ステークスでは前へ行く積極策を選択。ガイアフォースに内を取られ外々を回らされるロスがあり、最後は交わされたものの、11.2－11.0－11.2というG1級のラップを前で踏ん張り抜いた。結果は2着だったが指数は安田記念をも上回り、むしろ内容面では評価を上げる前哨戦となった。川田騎手も「前哨戦としては申し分ない。本番が楽しみ」と手応え十分だ。

12日の1週前追い切りでは栗東坂路を53秒2－12秒0で鋭く駆け上がり、重厚な馬体をしなやかに使って好気配をアピールした。高野友和調教師は「富士Sを使ったことで上手に仕上がっている。強い追い切りはもう必要ない」と万全の調整過程を強調している。

さらに今回の舞台・京都マイルでは定量戦で2戦2勝と負け知らず。コース適性は極めて高く、条件は確実にそろった。春に続くマイル制覇へ向け、ジャンタルマンタルは最良の状態でG1本番に臨む。秋のマイル王の座を再び掴む準備は整っており、堂々と頂点を狙う構えだ。