【スプリンターズS予想2025】サトノレーヴ昨年7着の雪辱へ、中山の激流克服なるか?

秋の電撃戦「スプリンターズステークス」(G1、芝1200m)がいよいよ中山競馬場で幕を開ける。主役候補として注目を集めるのは、香港のチェアマンズスプリントプライズとクイーンエリザベス2世カップで連続2着と、海外G1でも結果を残しているサトノレーヴだ。
通算14戦のキャリアで馬券圏外に敗れたのは、昨年のスプリンターズS・7着のみ。その一戦は1番人気に推されながらもスタートで後手を踏み、外枠からのロスが響いた。さらに11.8―9.9―10.4―11.0―11.6―12.3というハイラップの前傾戦で隊列が縦長となり、後方勢には極めて厳しい展開。鞍上のレーン騎手も「理想より後ろのポジションになり、勝負の流れが向かなかった」と語ったように、力負けではなく特殊なレース質が敗因だった。
その雪辱を晴らすかのように、今年初戦の高松宮記念では中団前目でスムーズに運び、直線で外へ持ち出して豪快に抜け出す完勝劇。悲願のG1初制覇を果たし、地力の高さを改めて示した。内が荒れた馬場での対応力も光り、スプリント戦で求められる機動力を存分に発揮した一戦だった。
今回は重賞2連勝後に迎えた昨年とは異なり、余裕を持ったローテーションで臨む点が心強い。血統的にも父ロードカナロアが2013年に優勝、半兄ハクサンムーンが同年2着と、この舞台への適性は折り紙付きだ。さらにモレイラ騎手が引き続き手綱を取ることも好材料。国内外での豊富な経験と冷静なレース運びは、激流必至の中山1200mで大きな武器となる。
課題はやはり中山独特のタフなラップ構成だ。32秒台の前半で流れる前傾戦となれば、道中でどれだけ脚を温存し、最後の急坂で加速できるかが鍵となってくる。持ち味の末脚を最大限に生かせれば、崩れる姿は想像し難い。
昨年の雪辱と連続海外好走を経て、国内スプリント路線の頂点に立つ準備は整った。世界を見据えた快速馬サトノレーヴが、中山の短距離王決定戦で真の実力を証明する時が来た。

