【京都大賞典】メンバー手薄、伏兵馬の台頭に警戒必要
月曜日が祝日で変則3日間の開催となる今週は、天皇賞秋のトライアルが西と東で開催。東京で「毎日王冠」、京都で「京都大賞典」が開催されます。今回は京都競馬場で開催される京都大賞典について考察してみたいと思います。
昨年はキタサンブラックが初めて1番人気に推されて優勝した舞台で、いわば世間がこの馬の強さをやっと認めた舞台でもあると言って良いでしょう。その後天皇賞秋へは向かいませんでしたが、ジャパンC、有馬記念、大阪杯、天皇賞春と次々にG1タイトルをものにしてきました。
一昨年の勝ち馬ラブリーデイは、次走の天皇賞秋で宝塚記念に続くG1・2勝目を挙げ、JRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されました。また、同2着のサウンズオブアースは暮れの有馬記念でも2着に食い込むなど、歴代の出走馬を振り返ってみてもここをステップに天皇賞秋、ジャパンC、有馬記念など秋のビッグレースで好走を果たした馬が多くおります。今年は一体どんな馬が秋のビッグレースに向けて好スタートを切るのでしょうか?今年の有力馬3頭を以下にまとめました。
京都大賞典2017の有力馬3頭
シュヴァルグラン
昨年は阪神大賞典とアルゼンチン共和国杯を制し、G2・2勝を果たしたシュヴァルグラン。昨年からG1にも果敢に挑戦しておりますが、2,3着と善戦はするものの勝ちきれない競馬が続いております。待望のG1制覇を果たすためにも、この一戦で弾みをつけて大舞台へ挑みたいところです。
前走の宝塚記念は8着に敗れましたが、2走前の天皇賞春ではキタサンブラックには届かなかったものの、あのサトノダイヤモンドを寄せ付けずの2着確保でした。3200mという長距離適性が向いた点もあると思いますが、淀み無い流れで外々を立ち回って勝ち負けできたのは高評価。ステイヤーの適性が高く、比較的安定はしておりますが、G1だとやはりワンパンチ足りない感が否めません。今回はG2ですし、メンバー構成を見ても今回は珍しく実績的には最上位ということもあり落としたくはない一戦です。今回は福永祐一騎手からM.デムーロ騎手へと乗り替わる予定となっており、パフォーマンスがどのように変わってくるかも見どころの1つとなりそうです。
ミッキーロケット
年始にG2の日経新春杯を制し重賞初勝利を達成したミッキーロケット。しかしそれ以降は京都記念4着、大阪杯7着、宝塚記念6着と敗れており、G1では力が足りずといった印象です。期待されていた春が今一歩でしたので、秋はなんとか挽回したいところです。
京都大賞典の舞台である京都・芝2400mの成績は「1-1-0-0」、芝2400mだけなら「1-2-0-0」と好成績で、この馬にとって京都の芝2400mは能力が最大限に発揮できる舞台と距離です。G1では力足りずとは言いましたが、昨年の神戸新聞杯ではサトノダイヤモンドと叩き合い接戦を演じ、年始の日経新春杯では秋競馬が楽しみなシャケトラを破るなど、能力の高さも垣間見えます。メンバーが手薄な今回は大いにチャンスですし、ここは初重賞を決めた4走前と同じ舞台設定。好相性の舞台で再スタートを切ることはできるでしょうか。
サウンズオブアース
最強の2勝馬の呼び声が高いサウンズオブアースの重賞の通算成績は「0-7-0-9」。16戦して2着が7回という、まさにシルバーコレクターの申し子。今年は春にドバイシーマクラシックに挑戦し6着に敗れ、休み明けの札幌記念で4着に健闘して今回京都大賞典へ駒を進めてきました。
京都大賞典に出走するのは今年で3回目となります。過去2走は2着→4着と善戦はしており、いずれも勝ち馬から0.2秒差で走破しており相性は悪くない舞台です。京都の舞台は「1-4-0-5」と連対率は50%、2400mという距離でも「0-3-0-3」と同じく連対率が50%となっております。この京都芝2400mの舞台はこの馬にとってベストと言っても大げさではないでしょう。今年は十分勝ち負けできるメンバー構成となっており、善戦マンを卒業する大きなチャンスと言えます。鞍上は前走に引き続き横山典弘騎手が手綱を握りますが、前走4着からさらに巻き返せるか、2勝馬の次走に注目が集まります。
他にも、牝馬ながら京都記念2着、鳴尾記念2着のスマートレイアーや、新潟記念で人気を裏切り7着に敗れ、今回は仕切り直しの一戦となるトーセンバジル、前走の目黒記念を勝利し約2年3ヶ月ぶりに白星をあげたフェイムゲームなど、上位勢を負かす可能性が十分にありそうなメンバーが揃っております。上位勢が混戦模様の今年の京都大賞典は、伏兵馬の台頭にも十分警戒する必要がありそうです。