【ジャパンC2020】仏G1馬のウェイトゥパリス、異国の地で有終の美飾れるか?

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昨年は海外馬の参戦がゼロに終わったジャパンC。今年も新型コロナウイルス騒動の影響で海外馬の参戦は厳しいように思われたが、フランスのG1馬、ウェイトゥパリス(牡7、A.マルチアリス厩舎)が参戦を表明したことで2年連続海外馬ゼロは免れた。

国内最強牝馬と謳われるアーモンドアイの引退レースということで同馬に注目が行きがちだが、ウェイトゥパリスもこのジャパンCがラストランとなる。このレースを最後に、来年からはアイルランドで種牡馬入りする予定となっている。現地時間10日、けい養先のクーラゴンスタッドが公式ホームページで発表している。

ウェイトゥパリスは2015年にイタリアのサンシーロ競馬場でデビューしたChamps Elysees産駒。中距離重賞戦線で活躍するもなかなか初勝利を挙げれず苦戦していたが、昨年7月にフランスのパリロンシャン競馬場で行われたモーリスドニュイユ賞(G2)で重賞初制覇を果たすと、今年6月にフランスのサンクルー競馬場で行われたサンクルー大賞(G1)を勝利し、G1初制覇を果たした。10月4日の前走、凱旋門賞(G1)では9着だった。

今年6月にフランスのシャンティイ競馬場で行われたガネー賞(G1)では後に凱旋門賞を勝つソットサスとほぼ差がない2着に好走しており、実力は十分上位。日本の軽い馬場の適性については、ハービンジャーの父Dansiliの全弟であるChamps Elyseesが父、母父Cozzeneという血統背景を鑑みると、欧州の力のいる馬場よりもむしろ軽いほうが向いている可能性もありそうだ。

サンクルー大賞やガネー賞の走りを見る限り、後方から終いの末脚を活かしてじわじわと伸びてくるタイプで、馬場さえ対応できればここでも十分好勝負を演じることが出来そうだ。

サンクルー大賞優勝馬がジャパンCも制すると、300万米ドル(約3.2億円)、4着以下でも20万米ドル(約2100万円)が交付されるということで、参戦はこの褒賞金も大きな理由の一つとしてありそうだが、大変な世界情勢の中、わざわざ日本まで来てラストランを迎えてくれることに心から敬意を表したい。