【ジャパンダートクラシック2025予想】暴走か快走か?折り合いカギのナチュラルライズ

10月8日に大井競馬場で行われるJpn1「ジャパンダートクラシック」で、羽田盃・東京ダービーを制したナチュラルライズ(牡3、伊藤圭三厩舎)が前人未到の偉業に挑む。ここまで6戦5勝。地方ダート界の新時代を切り開く存在として注目が集まる。
前走の東京ダービーでは、スタート直後から行きたがる素振りを見せながらも、鞍上の横山武史騎手が懸命に宥めつつ主導権を確保。道中は首を激しく上げるなど気難しい面をのぞかせたが、それでも2番手以下に影も踏ませぬ圧巻の逃げ切りを決めた。「御し切れてはいませんが、馬の力で勝ってくれました」と横山騎手が語ったように、折り合いを欠きながらも完勝してしまう底力は並ではない。
京浜盃(Jpn2)、羽田盃(Jpn1)、東京ダービー(Jpn1)を3連勝。すべて大井ダートでの勝利という点も心強い。大井は3戦3勝と相性抜群の舞台であり、今回も自らの“庭”で三冠の最終章に挑む。夏の間は北海道・ファンタストクラブ内のグランド牧場で約3カ月リフレッシュを図り、9月初旬に帰厩。横山騎手が何度も跨って感触を確かめており、調整は万全に整いつつある。
最終追い切りは美浦Wコースで単走。6ハロン86秒4-36秒9-11秒9と鋭い時計をマークし、横山騎手は「左回りでしたが、むしろ右回りよりもバランスは良かった。脚元も問題なく、心身ともに充実している」と手応えを語った。調教過程でも折り合いを意識した内容が続いており、気性面の改善がカギを握る。伊藤圭三調教師も「気性は競馬に行ってみないと分からないが、体は化骨して丈夫になっている」と成長を実感している。
これまでの戦いを振り返れば、どのレースでも馬自身の力で押し切ってきた。掛かる面を見せながらも、他馬を寄せ付けない圧倒的なパワーとスピード。まだ精神的な幼さこそ残るが、粗削りな強さこそがナチュラルライズの魅力である。もしここを勝てば、史上初となる「ダート三冠制覇」の金字塔。
折り合いがつきさえすれば、その偉業達成は目前だ。大井の砂上で、また一頭、新たな歴史が刻まれようとしている。

