【日本ダービー予想2018】“不運なジンクス”覆せるか?ゴーフォザサミット✕蛯名正義

「青葉賞組はダービーを勝てない」

こんなジンクスを聞いたことはないだろうか。実際、青葉賞からダービーへ挑んだ馬は過去に一度もダービーを勝てておらず、このようなジンクスが生まれることになった。昨年は青葉賞の勝ち馬アドミラブルがダービーで3着に入線し、ジンクスは継続することになった。

「今年こそは」「悲願の」

この謳い文句ももはや恒例行事のようになってきたが、やはり今年もこの謳い文句にふさわしいコンビが参戦する。今年の青葉賞の勝ち馬、ゴーフォザサミットと鞍上の蛯名正義騎手である。

前走の青葉賞は好位内から追走し、4コーナーから直線でスムーズに外へ出されると真ん中を伸びて、後続に2馬身差をつけて快勝。デビュー戦と未勝利戦で手綱を握った蛯名正義騎手と3回目のコンビで重賞初制覇を果たし、ダービーへの切符を獲得した。

ダービーの時期になると度々「悲願の」という言葉を投げかけられるのは騎手歴30年以上の大ベテラン、蛯名騎手だ。ダービーの称号はまだ一度も手にしたことが無く、今年で25回目の挑戦となる(0-2-2-20)。近年は12年のフェノーメノで2着、14年のイスラボニータで2着、16年のディーマジェスティで3着と健闘しているものの、いずれもあと一歩というところで惜敗する内容となっている。

今月13日には史上4人目となるJRA通算2500勝を達成し、快挙を成し遂げている蛯名騎手。ダービー制覇の難しさは本人が一番痛感していることかと思うが、この流れで悲願のダービー制覇も成し遂げたいところだ。

ここはベスト舞台のゴーフォザサミット、穴馬として要警戒

田辺裕信騎手とのコンビで出走した3走前の共同通信杯では、上がり最速の33.2秒、ラスト200mも11.1と良い伸び脚だったが、スタートで出遅れたことで位置取りが後ろとなったことも影響し、4着に敗れた。

2走前のスプリングSでも田辺騎手とのコンビで出走し、上がり2位の34.4秒、ラスト200mも11.3と伸びている。しかし、後方で我慢の競馬でペースもスロー、さらに前が早めに上がっていったという展開ではさすがに届かず7着に敗れる結果となった。

前走の青葉賞で蛯名騎手と再コンビを組み、ようやく持ち味が発揮できて重賞初制覇を果たせたわけだが、スピードと持続力があることは近戦の内容からも明らか。瞬発力タイプではないが2400mという距離と直線の長い東京コースは脚質的にも同馬にとって相性の良い舞台となりそうだ。出遅れの不安も拭いきれていないが、他に目立った不安材料はなく、適性的にもダービーの舞台がマッチする同馬は非常に魅力のある一頭と言えるだろう。

ダービーの常連である皐月賞組に加え、今年はダノンプレミアムやブラストワンピースといった皐月賞組以外組の有力馬が参戦し強敵も多いため、馬券的には穴馬としても魅力な一頭となる可能性が高い。「青葉賞馬」に「蛯名騎手」、不運なジンクスを背負った者同士の快進撃に期待したい。