【JRAアルテミスS予想】白毛馬マルガは危険な人気馬か?試される“名牝の血”

2歳女王決定戦である阪神ジュベナイルフィリーズへの重要な前哨戦となるアルテミスステークス。今回とくに注目を集めているのが、白毛馬のマルガ(牝2、須貝尚介厩舎)だ。新馬戦で圧倒的なスピードを見せつけた同馬が、名牝系の看板を背負い次なる一歩を踏み出す。
函館芝1800mの新馬戦では、その白く輝く馬体とともに、スピードの違いでハナを奪うと、直線では後続を寄せつけずに突き放す圧巻のレコード勝ち。まさに才能の片鱗を示す衝撃のデビューだった。現時点での完成度は世代屈指で、クラシックへ向けて早くも主役候補の一角を占める。
血統背景も超一級だ。母はブチコ、姉にはソダシ、ママコチャというG1馬2頭が並ぶ名牝系の出身。白毛一族の最新スター候補として注目度は抜群である。鞍上には引き続き武豊騎手が騎乗予定。21日の1週前追い切りでは坂路で単走し、54秒4―12秒2を馬なりでマーク。力みのないフォームで折り合いも上々だった。武騎手も「夏より落ち着きが増した」と好感触を語り、精神面の成長も確認された。
ただし課題もある。マルガは非常に繊細な性格の持ち主で、洗い場で洗濯機の音に驚くほどの怖がりな一面も見せる。今回は初めての本格的な輸送競馬となり、野本厩務員も「到着後に飼い葉を食べない馬もいる。輸送がカギ」と不安要素を挙げた。
また、気性の難しさを内包する血統も要注意だ。父モーリス、母ブチコ、さらに姉のソダシも時折ソラを使うなど、気性面の繊細さが一族の特徴。武豊騎手の手綱でその爆発力をいかにコントロールできるかが、勝敗の分かれ目となる。武騎手も「前向きな気性が強い。コントロールが課題だが、柔らかくて良い馬」と潜在能力の高さを評価しつつも慎重な見方を崩していない。
能力は間違いなく上位クラス。しかし一度リズムを崩せば暴走する危険性もはらむ。名血と才能が融合したマルガが、その繊細さを乗り越えて再び衝撃の走りを見せるのか。アルテミスSは、未来の白毛女王誕生を占う一戦となる。

