【菊花賞2025予想】主役不在のラスト一冠、混戦の菊花賞を制するのは誰だ?

日曜の京都メインは芝3000mで争われる牡馬クラシック三冠の最終戦「菊花賞」が開催。例年ならば皐月賞馬、日本ダービー馬といった実績馬が主役を張るが、今年は異例の構図となった。皐月賞馬ミュージアムマイルはセントライト記念を制しながらも天皇賞・秋へ路線を変更し、ダービー馬クロワデュノールは凱旋門賞挑戦のため渡仏。春の二冠馬がそろって不在という珍しい一戦となる。
そんな中、主役候補として注目を集めるのが神戸新聞杯を制したエリキングだ。春は皐月賞11着、ダービー5着と結果を出せなかったが、夏を越して心身ともにリフレッシュ。秋初戦となった神戸新聞杯では、プラス10kgの余裕残しながらも力強く差し切って勝利を収めた。長期休養明けからの復活勝利は、確かな成長の証といえる。所有する藤田晋オーナーにとって、芝のG1制覇は悲願でもあり、鞍上の川田将雅騎手も秋華賞での悔しい敗戦を経て、ここでのリベンジを期す。勝てば名実ともに“クラシック王道”の主役に返り咲くことになる。
トライアル路線ではセントライト記念を制したミュージアムマイルの回避により、神戸新聞杯2着のショウヘイ、3着のジョバンニらが実績上位として参戦。春からの勢力図に大きな変化はないものの、長距離の適性と成長度が試される一戦だけに、夏を経て台頭してきた新興勢力にもチャンスはある。
中でも勢いに乗るのがゲルチュタールだ。坂井瑠星騎手とのコンビでデビュー以来4戦4勝、すべて4コーナー先頭から押し切る内容で無敗を誇る。休み明けでも崩れず、3000mの長丁場でも自分のリズムで走れる強みがある。初の京都コースとなるが、持ち前のスピードとタフネスを生かせれば一気の頂点も十分だ。
もう一頭、伏兵として注目したいのがマイユニバース。前走の九十九里特別では古馬を相手に7馬身差で逃げ切る圧巻のパフォーマンスを披露した。今回は武豊騎手が手綱を取り、セントライト記念2着のヤマニンブークリエには横山典弘騎手が騎乗。経験豊富な名手たちによる戦略も見どころの一つだ。逃げてしぶとい脚質だけに、展開を支配する可能性は十分にある。
王道不在の混戦模様となった今年の菊花賞。頂点をつかむのは復活のエリキングか、無敗の新星ゲルチュタールか、それともマイユニバースやヤマニンブークリエか。京都の長丁場で繰り広げられる栄光のラストクラシックが今年もドラマを生み出す。

