【競馬】2015年「ゴールドシップ」と「藤田伸二」引退、競馬業界は大きな"個性"を2つ失う
宝塚記念(6月28日、阪神)では単勝オッズ1.9倍と圧倒的な1番人気に推される中、ゲートで暴れて2秒近くも出遅れたゴールドシップ(牡6、須貝)は15着と大敗し、ゴールドシップ絡みの馬券約121億円を飛ばした。話題が尽きないこの馬に愛着が湧いてしまうのは筆者だけだろうか。「多くの人々の目を引きつけた」という点においては競馬業界からしてみればなんと優秀な馬だろうか。そんなゴールドシップも年内での引退が決まっており、有馬記念(12月27日、中山)を最期に現役引退をすることとなる。
ゴールドシップは現在は滋賀県内にある吉澤ステーブルWESTで放牧しており、次戦までに発走調教再審査(ゲートの再審査)に合格する必要がある。10月10日には栗東のトレーニングセンターへ帰厩する予定であると調教師の須貝師は先月21日に発表しており、引退レースまでの詳しいローテーションはそれ以降になると思われる。ゲート再審査や調教が順当にいけば京都大賞典(10月12日、京都)か天皇賞秋(11月1日、東京)へ出走となる予定で、その後は有馬記念を出走して現役引退となる。ゴールドシップの走りを見れるのもあと僅かだと思うとなんだか寂しいものだ。
今年は"男・藤田"で知られる藤田伸二騎手も電撃引退を発表して世間を騒がせた。1000勝以上している名騎手であるとともに強烈な"個性"を持った男の急な引退報道に戸惑いを隠せなかった競馬ファンも少なくないはずだ。通常1000勝している騎手なら引退セレモニーが行われるため引退の発表からある程度の期間がもうけられるが、藤田騎手は9月6日の札幌7Rを終えた後に「騎手免許取消願」をJRA裁決委員に渡し、それを受理したJRAが7日に正式に引退を発表した。競馬ポータルサイトの「UMAJIN(ウマジン)」に藤田自身が直筆の長文で引退への想いとファンへの想いを綴ったのみで、引退式も引退会見もせずに騎手人生に終止符を打った。最期まで個性的な演出で多くの人々の目を引きつけた。
今年は多くの"個性派"がターフから姿を消してしまうこととなるが、ゴールドシップの引退後の種牡馬としての活躍や、藤田騎手の騎手としてではなく"男・藤田"としての活躍には今後も引き続き注目していきたい。