【ステイヤーズS予想2025】しぶとさが武器のヴェルテンベルク、持続力勝負ならこの馬

今週開幕の中山競馬場では、土曜に長距離王決定戦となるG2「ステイヤーズステークス」が開催。中山芝3600mは日本競馬で最長距離を誇るだけでなく、京都3200mの天皇賞(春)、菊花賞3000m、東京3400mのダイヤモンドステークスともまったく性質が異なる特殊な舞台である。そのため、他の長距離重賞の結果に直結しにくい。
最大の特徴は、レース全体が“根比べ”になりやすい点だ。天皇賞やダイヤモンドSでは上り3ハロン33秒台が頻繁に出るが、このステイヤーズSでは33秒台がほとんど出ない。ラストまでバテずに押し切れるかどうか、しぶとさが勝負の分かれ目となる。
この条件で最も注目したいのが、キタサンブラック産駒の5歳牡馬ヴェルテンベルクである。3戦前に3勝クラスを突破してオープン入りすると、続くG3で9着(10番人気)、前走の京都大賞典では16番人気ながら7着と堅実に走ってきた。勝ち馬とは差があるものの、ステイヤーズSでは一変の可能性がある。
理由は明確で、ヴェルテンベルクは“しぶとい34秒台の末脚”が最大の武器だからだ。同馬は差し・追い込み脚質で、これまでの24戦中19戦で上り3位以内を記録している。ただし、上り33秒台をマークしたのはわずか1度だけ。一方、同じ差しタイプでもラスカンブレスは33秒台を4度、メイショウブレゲも複数回マークしている。ヴェルテンベルクは瞬発力型ではなく、バテずに長く脚を使う“持続力特化型”のタイプと言える。
これは、まさにステイヤーズS特有の“上りがかかる消耗戦”にぴったり合致する資質である。直近の走り以上のパフォーマンスが期待でき、舞台替わりで浮上する可能性は高い。
以上の点を踏まえれば、今年のステイヤーズSは、息の長い末脚を武器にするヴェルテンベルクが根比べ勝負を制するシーンがあっても不思議ではない。長距離戦ならではのタフな展開を味方に、しぶとさで上位進出を狙う一戦となる。

