【香港スプリント2025予想】サトノレーヴ✕ムーア新コンビ、怪物撃破へ闘志燃やす

世界最高峰のスプリント戦のひとつである「香港スプリント(G1、芝1200m)」は、今年も地元の絶対王者カーインライジングを中心に展開される。ここまで18戦16勝、現在15連勝中という怪物ぶりは説明不要で、昨季はG1・4勝を含む8戦無敗で香港年度代表馬の座を獲得。今季もオーストラリアの大レース・ジ・エベレストを制し、帰国初戦のジョッキークラブスプリントでも危なげなく圧勝しており、まさに現役最強スプリンターの名にふさわしい。
この絶対王者に挑む日本勢の筆頭が、昨年の同レースで3着と健闘したサトノレーヴだ。昨年は中団の内で脚を溜め、直線ではしっかりと伸びて存在感を示したが、外から伸びてきた香港勢2頭に屈した。それでもモレイラ騎手が「素晴らしい走り」と称えたように、負けて強しの内容であったことは間違いない。
その後のサトノレーヴは、高松宮記念で念願のG1タイトルを獲得。展開を読み切ったモレイラの進路取りと、馬自身の鋭い反応が合致し、豪快に差し切った内容は文句なしの完勝であった。さらに続く海外G1である4月のチェアマンズスプリントプライズ、そして英国のクイーンエリザベス2世ジュビリーSでも連続2着と、世界トップクラスのスプリント戦線で安定した力を示してきた。
前走のスプリンターズSは先行有利の馬場が響き4着に敗れたが、内容は悲観するものではない。中山1200mの舞台適性も含めて噛み合わない条件下での敗戦であり、昨年と同様、ここ香港での巻き返しは十分に見込める。
今年の香港スプリントは、サトノレーヴにとってカーインライジングとの3度目の対戦となる。今回は復帰後初の大舞台となる名手ムーア騎手との新コンビで臨む点が大きな注目材料だ。世界のG1を勝ち続けてきたムーアの手綱で、地元の絶対王者に一矢報いる準備は整っている。
昨年以上のパフォーマンスを披露できれば、カーインライジング包囲網の中心となる存在になり得る。日本馬サトノレーヴが世界最強スプリンターへの挑戦状を叩きつける。ここが真価を問われる決戦の舞台だ。

