【香港ヴァーズ2025予想】菊花賞馬アーバンシック、コース適性見込めるか?

香港競馬の芝2400m路線における最高峰の一戦「香港ヴァーズ」が今週、シャティン競馬場で開催される。今年は凱旋門賞3着のソジー、同4着で昨年覇者のジアヴェロットなど、世界の舞台で実績を残す強豪が揃った。そんな中、日本からは昨年の菊花賞馬アーバンシックが参戦し、世界挑戦に臨む。
アーバンシックは今年、日経賞で3着と好走したものの、その後は宝塚記念・14着、天皇賞秋・5着と勝ち星から遠ざかっている。ただし前走の天皇賞・秋では後方から馬群を割って伸び、上がり2位の脚で5着を確保し、復調気配を強く印象付けた。プーシャン騎手は「発馬は出ましたが2、3完歩目が遅く、あの位置からになりました。勝負どころで置かれましたが、最後は伸びてくれたし、立ち直ってきた印象です」とコメント。ヘデントールやアドマイヤテラ、ビザンチンドリームらを退けて菊花賞を制した底力は健在で、昨年の有馬記念1番人気馬らしい意地を見せた。
武井調教師は「前走は坂で置かれたので、本質的には平坦の方がいい」と語り、京都外回りの適性を踏まえたうえで「流れた2400mならもっといい。有馬も選択肢にあったが、香港の方が総合的にチャンスがある」と判断。シャティン競馬場のコース形態は京都外回りに近く、直線が平坦である点はアーバンシックにとって大きな追い風となる。
香港ヴァーズは例年スローペース傾向にありながら、実際は3コーナーからの下り坂を利用したロングスパート戦になりやすい。勝負どころで置かれる面がある同馬にとって、この下り坂の存在はプラス材料となる。一方で、後方待機が多いアーバンシックにとっては、緩い流れの中で前目の位置を確保できるかどうかが課題となる。前半5ハロン62~63秒での加速ラップに対応するには、ある程度ポジションを意識した競馬も必要だろう。
馬場状態も勝負の鍵を握る。同馬はタフな馬場が得意ではないだけに、当日の天候と馬場コンディションの見極めは重要となる。
香港ヴァーズは2018年以降、日本馬が6年連続で3着以内に好走している相性の良い舞台だ。アーバンシックにとっても、管理する武井亮調教師にとっても今回が海外G1初挑戦となる。世界の強豪と肩を並べる一戦で、菊花賞馬の意地を見せ、国際舞台で存在感を示せるか注目が集まる。

